生活保護から考える

生活保護から考える
生活保護から考える
稲葉剛
岩波書店
2013年11月20日
1件の記録
  • さかな
    さかな
    @sakana1316
    2026年1月21日
    ブックオフで見かけて手に取った。生活保護バッシングが起こった2012年に書かれた本。 生活保護制度が必要としている人の手に届かない実態の原因を、制度の欠陥、政府や政治家の人権意識の問題、マスメディアの報道の仕方、それらによって作られていく生活保護制度への偏見 といった複数の点から分析されていた。 印象的だったのは、生活保護の基準額が、この国における「最低生活費」(保障の基準)であるということ。それゆえ、貧困層が広がっている今の日本において引き下げが続くと、「最低生活費」に基づいて支援層が定められている様々な社会保障制度を受けられる人が少なくなり、例えばこれまで非課税だった世帯が、生活保護費の引き下げに連動して課税世帯になってしまう可能性があるということ。つまり、生活保護制度は、この社会において「全ての人々の生活を支えている」ということ。この認識が広まれば、また、著者も言っていたが、政府には国民の生存権を保障する憲法上の義務がある、ということがもっと知られたら、生活保護に対する偏見やバッシングも和らぐのではないかと思った。 また、制度の欠陥や福祉事務所において繰り返される違法な対応、偏見、差別、生活保護バッシングを煽ったマスメディアや政治家によって、餓死や自殺で亡くなった人がいることを知って、社会のあり方によって殺される人がいる、ということを再認識した。
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