荷風たちの東京大空襲 作家が目撃した昭和二十年三月十日

2件の記録
- 読書日和@miou-books2025年7月2日読み終わった昭和20年(1945年)3月10日の午前0時すぎに始まった約3時間の空襲は、東京の下町を焼き尽くし、10万人を超す犠牲者を出した。その惨事を「東京のあちらこちらに暮らしていた作家たちの目を通して」立体的に描く試み。表紙を開いてすぐに、作家たちが当日どこにいたのか、地図もついていてイメージしやすい。 多くの作家たちが焼夷弾により燃え盛る空を美しいと表現していることが意外だった。逃げまどい、そしてたくさんの遺体を見ることで感情も麻痺してしまうのであろうか。 戦争といえば広島・長崎の原爆がつい頭をよぎるが、東京大空襲もたった一日でこれだけの犠牲者を出していたんだと、改めてその悲惨さに・・・。そして3月10日以外にも、何度も激しい空襲があったことに何で今まで思いを巡らせなかったのか。戦後80年、実際に体験した方もわずかとなっているけれど、忘れてはいけない歴史。 本筋からは外れてしまうかもだけど、戦時中も意外と豪華な食事をしていた作家もいて、あるところにはあるんだな、と辛い話の中たまにホッとできたり。