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読書日和
読書日和
@miou-books
  • 2026年8月22日
    遊牧民から見た世界史
    夏休みに中央アジアへ旅行に行くので、関連する歴史の本が読みたくて探していたものの、行先に特化した本がなかなか見つからず、この本を予約。 旅行の直前に順番が回ってきたので、行きの飛行機と旅先でちょこちょこ読んだ。 正直に言うと、今回知りたかった情報に特化した本ではなかったので、かなり流し読みしてしまった。また時間が経ってから、モンゴルに行きたい!なんて思ったときにでも、もう一度読み直したい。 それでも、かなり印象に残ったことがあった。 残念なことに、私は「遊牧民=蛮族」という偏見たっぷりの世界史を学んで育った。匈奴も、「匈奴」という表記のせいなのか、辺境に住む野蛮な民族、くらいのイメージで覚えていた。 ところが、匈奴は単一の民族というより、さまざまな集団を含む遊牧国家・政治的連合だったと知って、かなり衝撃を受けた。 こんなに長くシルクロードや西域が好きだったのに、今さら知ったのか……。 学校で習った「世界史」の見え方そのものを、ちょっとひっくり返してくれる本だった。 匈奴の人々はその後どうなったんだろう、と考えてしまうけれど、「末裔はこの民族です」と簡単にたどれるような話でもないのだろうな。遊牧民の歴史を追っていくと、民族も国境も今とはずいぶん違うものに見えてくる。 今回はきちんと読み込めていないので、とりあえず旅の途中で残したメモとして。
  • 2026年8月22日
    普天を我が手に 第三部
    人間ドラマを通して、昭和を学べる傑作だと思う。 戦後の昭和史って、学校の授業では時間が足りないせいか、飛ばし飛ばしで終わってしまって、大人になってから少しずつ理解したり、学び直したりしている。この本を読んでいても、「ああ、あの事件はこういうことだったのか」「この話はあの事件につながるのか」「こんな見方もあったのか」と、知っているつもりだった出来事を改めて考えさせられることが多かった。 歴史の教科書では出来事として通り過ぎてしまうことが、人間の欲や執念、嫉妬や野心、そして「こうしたい」という思いを持った人たちの物語として描かれることで、昭和という時代がずっと身近に感じられた。 読みながら、日本の高校生以上はみんな一度くらい読んでみてもいいんじゃないか、とまで思った。 「日本人は人の足を引っ張ることに熱中する民族なのである」 痛い。でも、わかる……と思ってしまった。 昭和から数えて100年目の今、そろそろ人の足を引っ張ることより、誰かのやりたいことを応援するほうに熱中する時代になってほしいなぁ、なんて思ったり。 ラストは意外だったような、でもある意味、なるべくしてそうなったのかな、という気持ちもしつつ。 時代や周りの人に振り回されることはあっても、自分が何をしたいのかを見失わず、まっすぐ進もうとする人は強い。 読み終えて、そんな当たり前のようで難しいことを、この四人から教えてもらった気がする。 そして、昭和の終わり頃の空気が、なんとなく今の時代と重なって見えたのも印象に残った。 長かったけれど、読んでよかった。昭和をもう一度、別の角度から学び直したような三部作でした。
  • 2026年8月9日
    つまらない住宅地のすべての家
    たくさんの登場人物が出てきて、巻頭の見取り図と比べながら読むの、嫌いじゃない。むしろ好き。笑。 一つの出来事を、いろいろな人の視線から眺めながら物語が進んでいく。 どの登場人物にも「ちょっとわかる」と思うところがあって、その一方で、同じくらい「いや、そこは嫌だなぁ」と思うところもある。 誰か一人に感情移入するというより、登場人物それぞれを少しずつ理解しながら、でも誰のことも好きになれない。この不思議な距離感が面白かった。 たくさんの人が出てきて、いろんなことが起きて、これ最後どうなるの?と思いながら読み進めたけれど、最後にはきれいにまとまっていて、さすが……! そして読み終わってから、 「何だ、この感じ。なんか前にも読んだことがあるような……」と思っていたら、『水車小屋のネネ』の津村記久子さんだった! なるほど、納得。
  • 2026年8月9日
    ソコレの最終便
    実家にあった本。誰が読んだのかも分からず、タイトルもよく知らないままだったけれど、図らずもこの時期に読むことに。 「ソコレ」って何だろう?と思いながら読み始め、読み終わってから調べたら、装甲列車の略称らしい。装甲を施した機関車に、火砲車両や指揮車両などを連結した軍用列車のこと。日中戦争や太平洋戦争期、旧日本陸軍の鉄道隊(鉄道連隊)などが満洲や中国の警備・作戦のために装甲列車を保有・運用していたことも、今回初めて知った。 大戦末期の満州国を舞台にした鉄道サスペンス。101装甲列車隊、通称・マルヒトソコレの列車長・朝倉九十九が、戦局を大きく変え得る列車砲を日本本土に運ぶ特命を受け、乗組員たちとともに敵勢力と抗戦しながら、大連港を目指して7日間を駆け抜ける。 エンタメとして読んだけれど、この当時の軍人さんたちの倍くらいの年齢になってしまったんだなぁ、とふと思う。死が今ほど遠いものではなかった時代に、こんな極限状態で生きていた人たちがいた。 自分にはとてもできない生き方だし、戦争を美化するつもりもない。それでも、こういう物語を読むと、先の大戦から今日まで平和に過ごしてこられたことの重みを改めて感じる。
  • 2026年7月31日
    ミドル・エイジ・ビギンズ
    YouTubeのインタビューを流し聞きしていて、なんだか気になって会社帰りに書店で購入。読み始めてすぐ、グサグサ刺さる。ドキドキして「読むのやめようかな」と思うくらいだったのに、結局2日ほどで一気読みしてしまった。 内容にはあまり触れないでおきたいけれど、ミドルエイジ真っただ中の私には心を揺さぶられる言葉がたくさんあった。 ほんの1年くらい前まで、「私は何者にもなれていない」「私って何だったんだろう」と、自分に問い続けていた時期がある。だから、「ああ、こう感じるのは私だけじゃないんだ」と思えたことが、何より救いだった。 特に心に残ったのは、「なりたい自分になる」のではなく、「なりたかった自分も含めて引き受ける」ということ。 「まだ遅くない」「もっと挑戦できる」。そんな言葉に背中を押されることもあるけれど、そのたびに焦ったり、疲れたり、迷ったりもする。それでも、過去の自分も、叶わなかった自分も抱えたまま、この年代を歩いていけばいい。なんてねー!数年後に読み返したら、また違う感想が持てますように。今の悩みは少しでも過去のものとして消化できていますように。。。
  • 2026年7月30日
    方舟
    方舟
    ミステリー好きの方がおすすめされていて図書館で借りてきた一冊。読み始めてすぐ、「あれ?これ読んだことあるような……?」という違和感。 でも、こういう設定のミステリーは好きだから気のせいかな、と読み進める。ページをめくるたびに既視感は強くなるのに、犯人も結末も思い出せない。もう最後だけ確認しようかな、と何度も思ったのに、結局最後まで読み通してしまった。 ラストで「あーーー、そうだった!前もこの結末に驚いたんだった」とようやく記憶がつながった。 同じミステリーを新鮮な気持ちで二度楽しめたと思えばお得なのかもしれない。でも、自分の忘れっぽさにはちょっと苦笑い。 ということで、本の感想より自分の記憶力の感想になってしまいました(笑)。 内容はネタバレ厳禁の作品なので、あらすじだけ公式をご覧ください。 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。 そんな矢先に殺人が起こった。 だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。 タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
  • 2026年7月30日
    ルポ 人が減る社会で起こること
  • 2026年7月30日
    珈琲怪談
    珈琲怪談
    知らなかったけれど、「不連続の世界」シリーズの3作目らしい。前の作品を読んでいなくても十分楽しめました。 京都、横浜、神田、神戸、大阪。おじさん四人組が喫茶店をはしごしながら、それぞれ怪談を披露していく物語。 いわゆる背筋が凍るような怪談ではなく、不思議さや余韻がじわっと残る恩田陸らしい世界。四人がコーヒーを飲みながら語り合う空気感が心地よい。 本筋とは関係ないけれど、怪談を語れる人って、なんだか格好いい。憧れる。 「黒田は、十一時近くになって、雨の匂いをさせてやってきた。」 あー、こういう事さらっと言えるようになりたい。
  • 2026年7月30日
    誠実な詐欺師
    誠実な詐欺師
  • 2026年7月21日
    長安のライチ
    長安のライチ
    先に映画を見ていたので、登場人物はみんな脳内で映画版に変換されながら読了。(普段は原作を先に読む派なので新鮮。) 物語は、皇帝の命で「新鮮なライチを長安まで届ける」という、どう考えても無理難題に挑む下級役人の話。 映画ではテンポよく楽しんでいたけれど、小説で読むと理不尽さがじわじわ効いてくる。権力者の何気ない一言で人生を振り回される役人、そのしわ寄せを受ける庶民たち。そして何より、中国という国の広さ。地図を思い浮かべながら読むと、その距離感に気が遠くなったり。 理不尽な状況に何度も「もう無理じゃない?」と思いながら読むのだけれど、主人公が知恵を絞り、周りの人に助けられながら少しずつ突破口を見つけていくので、つい続きが気になってページをめくってしまう。 ライチを見る目も変わります。笑
  • 2026年7月20日
    火葬秘史
    火葬秘史
    火葬にまつわる文化人類学の本かな、と思って図書館で予約した一冊。順番が回ってきて読んでみると、想像以上に扱う範囲が広く、とても濃密なノンフィクションだった。 テーマは「火葬」だけではない。戦後の葬儀の簡素化、火葬場をめぐる巨大な利権、そして「火葬」と「食肉」という二つのタブーを利用して富と権力を握った明治・昭和の政商たちまで描かれている。東京の火葬場が民間企業によって運営されるようになった背景も興味深く、火葬場は当然公共インフラだと思い込んでいた私は、ニュースで知った時以上に驚いた。 序盤では、上皇陛下が火葬を希望されていることから話が始まる。すでに公表されていたことだったそうだが、私はこの本で初めて知った。 歴史の部分も面白い。日本で初めて火葬されたとされるのは、遣唐使として唐へ渡り玄奘三蔵に学んだ僧・道昭。700年に奈良・明日香村で火葬され、その二年後には持統天皇も天皇家として初めて火葬されたという。天皇家の葬送文化と庶民の習俗が必ずしも同じ流れではないことも興味深かった。 「死はいつから穢れになったのか」という話も印象に残る。縄文時代には穢れという考え方は薄かったとされる一方、邪馬台国の頃には穢れに関する記述が見られるという。古代から忌避されてきた仕事を担った人々の歴史と、そのタブーを利用して権力を得た人々の存在まで、一冊でここまでつながるとは思わなかった。 ちょうど読んでいる頃、民俗学のPodcastでも火葬や散骨の話を耳にした。「儒教では火葬は親不孝とされる」という話が印象に残っていたけれど、本書では韓国の火葬率の変化も紹介されていた。1990年代までは土葬が主流だった韓国も、土地不足を背景に2000年以降火葬が急速に普及し、現在では九割近くが火葬になっているという。日本は火葬先進国だと知っていたが、キリスト教圏でも火葬が思った以上に広がっていることも初めて知った。 読んでいて何度も思ったのは、これは決して歴史の話ではなく、自分自身の話だということ。幸い両親は元気だけれど、だからこそ今のうちに、見送ること、自分がどう見送られたいか、お墓や供養についても少しずつ考えてみたいと思った。
  • 2026年7月20日
    女王さまの休日
    やたらおススメに出てくるので、図書館で予約して長く待っていた本。 今回の舞台は台湾。物語全体にあふれる優しい雰囲気に今回は異国情緒もあいまって、移動の電車で一気読みでした。 東山珈琲路って初めて聞いた名前で、まだまだ知らない事たくさんあるな。 そして「非情城市」、そろそろ見なければ、、と好奇心があちらこちらに引っ張られる本でした。
  • 2026年7月20日
    人生不案内
    人生不案内
    読売新聞の人生相談「人生案内」をまとめた一冊。 読み始めると、いわゆる「人生相談」を想像していた私には少し意外だった。悩みに対して答えを与えるというより、一緒に立ち止まって考えてくれるような回答が続く。ただ優しいだけではなく、ときには相談者に熱く問いかけ、自分自身の生き方まで考えさせられる。 ChatGPTに相談したら数秒で答えが返ってくるような悩みでも、人が時間をかけて言葉を選び、相手に向き合うことで生まれるものがあるんだな、と感じた。改めて、私はいしいしんじさんの文章が好きなんだと思う。 特に心に残ったのは、「亡き祖父からの手紙に涙」と「詐欺で大金を失う」の相談。 読んでいるうちに自然と家族のことを考えていた。答えを読む本とだと思っていたら、自分自身を振り返る本なのかもしれない、と思った。
  • 2026年7月17日
    今度生まれたら
    内館牧子さんの「高齢者シリーズ」は、ほどよく毒があって好き。今回の主人公もなかなか強烈。計算高く、したたかで、本音と建前を巧みに使い分ける姿には「あっぱれ」と思う一方、「私には絶対できないな」と苦笑い。いや、私の母はちょっと似ているかも。(絶対怒られそう。) 読み始めは、主人公の他責思考や後悔の多さ、ネガティブさに少しイライラ。でも、親族の問題や老後の現実に向き合いながら、自分の人生を自分で選び取ろうと動き始める姿を見ているうちに、いつの間にか親近感が。自分で決めて動くことが肝なんだろうなぁ。 ちょっと70歳の自分を想像しつつ、素敵に年を取りたい、もがきつつも!
  • 2026年7月9日
    ようやくカナダに行きまして
    このシリーズの「カナダに行く前」とカレッジ生活のエッセイを先に読んでいたので、その間の時期のことが知りたくて予約。 今回も、カッコつけすぎず、弱音も失敗談も隠さず書く光浦さんらしさに励まされる。 印象に残ったのは、カナダでは「怒りを感情的にぶつけたほうが負け」という価値観。どんな理由があっても、怒りの表し方を間違えればこちらが不利になる。読んでいて「いや、それは腹が立つでしょう・・・」と思う場面も多いけれど、海外で暮らすということは、言葉だけでなく価値観の違いとも向き合うことなんだな、と改めて感じた。病院での出来事も含め、異国で生活する大変さがリアルに伝わってくる。 語学学校で出会った親友ヘレナ(29歳・コロンビア人)の言葉も心に残った。 "You are strong. You can do anything." そして、博物館で彼女が語った言葉。 「ここにあるような、私らの先祖が作った金細工のほとんどはスペインに持ってかれたんだよ。でも何が悲しいって、私ら、この先祖の使ってた言葉を話せないし、文化も違うんだよ。」 旅先では景色や食べ物に目が向きがちだけれど、その土地の歴史や、人々が背負ってきたものに思いを巡らせることも大切なんだと、考えさせられた。ヘレナが心のよりどころにしているキリスト教もスペインが持ち込んだんだけどね。 海外で暮らすことの楽しさだけでなく、戸惑いや理不尽さ、そして人との出会いまで、飾らない言葉で綴られた一冊でした。
  • 2026年7月9日
    宙わたる教室
    宙わたる教室
    図書館で長く順番待ちしていた一冊。NHKでドラマ化されていたことも知らず、『翠雨の人』を読んで伊与原さんの小説がすっかり好きになっていたので、ようやく順番が回ってきて嬉しかった。通勤の往復だけで、ほぼ一気読み。 舞台は東京・新宿の定時制高校。年齢も境遇も異なる生徒たちが、さまざまな事情を抱えながら夜の教室に集い、担任の藤竹に誘われて科学部で火星のクレーター再現実験に挑む。 昼は働き、夜は学ぶ。その生活だけでも並大抵のことではないのに、さらに「知りたい」という気持ちを原動力に実験へ夢中になっていく姿が眩しい。登場人物一人ひとりに向けられる著者のあたたかな眼差しが心地よくて、読んでいるこちらまで応援したくなる。 今日は私も、火星の夕焼けを想像しながら夕方を過ごそう。
  • 2026年7月9日
    祖母姫、ロンドンへ行く!
    80代の愛すべき祖母の「お姫様のようなロンドン旅行がしたい」という一言から、一族総出で支える豪華なイギリス二人旅が始まる、笑って泣ける実録エッセイ。 往復は日本の航空会社のファーストクラス、宿泊はロンドン中心部の五つ星ホテル。はぁ、うっとり。最初は小説だと思って読み始めたので、実話ベースだと知って二度驚いた。ロンドンにそごうや三越があった頃、日本にもまだ勢いがあった時代。そんな空気まで伝わってきて、なんとも羨ましくなった。 祖母の揺るぎない自己肯定感や、ティムをはじめイギリス各所で出会う人たちの温かなもてなしに、何度も笑って、何度もほろり。自信とはどう育まれるのか、謙虚とは何か、人をもてなすとはどういうことか。旅エッセイでありながら、人生の姿勢について教えられる場面が多かった。 オリエント・エクスプレスにもいつか乗ってみたいし、本場のアフタヌーンティーも体験してみたい。旅心をくすぐられるだけでなく、「年齢を重ねるって素敵だな」と思わせてくれる一冊だった。 心に残った言葉をメモ。 *** 大切なのは、お祖母様には何ができないかではなく、何をご自分でできるのかを見極めること。 *** 何でも全力投球だから、全方位自信があるんだ。 *** オパールはたくさんの色が入っているから、たいていの服に合う。旅行にぴったりだから、覚えておきなさい。 *** 謙虚と卑下は違うものなの。自信がないから、自分のことをつまらないものみたいに言って、相手に見くびってもらって楽をしようとするのはやめなさい。それは卑下。とてもみっともないものよ。 *** 楽をせず、努力をしなさい。いつも、そのときの最高の自分で、他人様のお相手をしなさい。胸を張って堂々と、でも相手のことも尊敬してお相手をする。それが謙虚です。
  • 2026年7月5日
    白魔の檻
    白魔の檻
    霧と有毒ガスに閉ざされた空間で起きる連続殺人事件。金田一少年の事件簿ですか、というくらい次々と事件が起きていくので、私も犯人を予想しながら読んだけれど、見事に外れました。 こんな現場には絶対居合わせたくないけれど、ミステリー好きなら夢中になって読める一冊でした。
  • 2026年7月5日
    踊りつかれて
    踊りつかれて
    内容はよく知らないまま、「売れているらしい」という理由で図書館予約。やーっと順番が回ってきた!待っている間に『罪の声』を読んで、塩田さんの作品をもっと読みたくなっていたので、期待も高まっていた。 物語は、ある男がブログに書いた「宣戦布告」から始まる。 SNSでの誹謗中傷によって命を絶った令和のお笑い芸人と、バブル期の週刊誌報道によって表舞台から姿を消した歌姫。二人を追い詰めた人々を「重罪認定」し、個人情報を暴いていく。男はなぜ、この戦いを始めたのか。 実はこの本を読む直前、SNSで誹謗中傷の応酬を目の当たりにしていた。 削除された投稿のスクリーンショットを晒し、「訴える」「開示請求する」と応酬が続き、フォロワーまで巻き込んで対立が広がっていく。見ているだけで疲れてしまい、私は何も反応せず、そっとフォローを外した。 匿名だからなのか、「正しさ」を掲げて相手を徹底的に叩く世界。その光景があまりにもこの小説と重なって、読んでいて何度も考えさせられた。 「正しさ」を盾に他者を断罪する快感は、一度手にしてしまうと、なかなか手放せないのかもしれない。そう思うと怖くなった。 それでも、主人公の奏と瀬尾のまっすぐな心が、重く暗い物語の中に一筋の光であり救い。 私たちは、いつの間にかSNSに踊らされているのかもしれない、はぁ。
  • 2026年7月5日
    光雨往来
    光雨往来
    台湾をこよなく愛する著者が描く、日本と台湾を舞台にした物語。 舞台は台北。5つの短編からなり、最初と最後の物語がゆるやかにつながっている。どの話にも、おいしそうな食べ物やお店が登場するのも楽しい。 日常の息苦しさから逃れるように台湾へやってきた旅行者、横町の小さな神様、短期留学生、書けなくなった作家。登場人物はそれぞれ違うけれど、どの物語にも著者のあたたかな眼差しが感じられた。 読み始めは、きらきらした台湾の街並みやグルメに「また台湾へ行きたい!」という気持ちになる。でも物語が進むにつれ、日本と台湾が歩んできた歴史にも自然と目が向いていく。 雨の日だけ過去へとつながる道が開かれるような描写も印象的だった。タイトルの『光雨往来』の「光」と「雨」が、現在と過去、明るさと切なさを行き来する物語そのもののように感じた。 次に台湾へ行ったら、科技大学の学生食堂に行ってみたい。国家音楽庁の裏手にあるフローズンヨーグルトのお店も気になる。 そして、この本を読んで一番思ったのは、ゆっくりお茶を飲みたいということ。 台湾へ行くたびに茶葉は買ってくるものの、最近は手軽なリプトンのティーバッグばかり。先月の旅行で老舗のお茶屋さんの茶葉を買ってきたので、仕事の合間に慌ただしく淹れるのではなく、お茶そのものと向き合う時間を作ろうと思う。
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