めぐりんと私。
4件の記録
ユメ@yumeticmode2025年2月27日読み終わった感想@ 自宅シリーズ第二弾の本書では、「本バスめぐりん」と利用者の関わりを通して、移動図書館の歴史、ひいてはこれからの図書館の在り方が描かれる。人の数だけ本や図書館との繋がりがあり、ひとつひとつを丁寧に綴った物語に心が温まった。なかでも、幼い頃に失くしたはずの本の発見から始まる「昼下がりの見つけもの」が印象に残っている。優也の母親がとった手段は図書館の本に対する敬意を著しく欠いていて、本好きとしてはいささか許しがたいし、そのために優也が読書から遠ざかってしまったことはやるせない。そんな彼が十八年の時を経て、本に、読書に帰ってこられたことは本当によかった。優也のような事情はなくとも、ライフスタイルの変化などによって読書にブランクができてしまうことはあるだろう。それでも、どれだけ時が流れても「おかえり」と出迎えてくれる懐の深さが、本にはある。

