ジャ-ナリズム作品集

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- Sanae@sanaemizushima2025年7月8日読み終わった図書館本大好物ガルシア=マルケス。下積みのジャーナリスト時代から彼の才能は発揮されている。小説ではなく記事なのに、読んでいると時々クラクラする。 マジックリアリズムと呼ばれる文体はこの頃から活きている。 しかし訳者が大事みたいで、「戒厳令下チリ潜入記」はあまり好きな訳ではなかった。 旦敬介訳「幸福な無名時代」は好きな本のひとつ。 今回は鼓直訳。それなら間違いない、と思い読み始めるが、やはり面白かった。 ガルシア=マルケスの弱者に気持ちを寄せる着眼点もとても好きで、朝鮮戦争に行ったコロンビアに兵士の話は興味深く読んだ。 広島在住ということもあり、スペインの神父が原爆投下から救援に奮闘した証言も印象深かった。 ガルシア=マルケスの作品を多く知っている読者であれば、追った事件とルポタージュから、この作品に影響を与えたんだろうな、と思いながら読むことができる。そうでなくてもとてもスリリングでウィットに富んだ文章。 やはり好きだな。