
Sanae
@sanaemizushima
Reisen und Lesen
旅行と読書が好きです
- 2025年11月21日
贈り物の本安達茉莉子,有松遼一,浅生鴨,牟田都子,青山ゆみこ,青木奈緒読みたい - 2025年11月21日
ソウル『中くらいの友だち』編集部読みたい - 2025年11月20日
フィフティ・ピープルチョン・セラン,斎藤真理子読み終わった評判通り、すごくよかった。元気が出る! 近しい友だちじゃなくて、遠い親戚関係でも、ちょっと顔見知りの間柄でも、同僚でも、そんなふうに優しさや気配りをしながら生きているんだなって思う。そんな情の厚さをちょっと羨ましくも思う。 斎藤真理子さんの訳、いつも解説が解析度を上げてくれる。訳者あとがきで“「同僚への親近感」が一つのキーワード”とあったが、その通りだと思った。 これはセウォル号の事故後に書かれた物語だという。韓国の人がこんなふうに支え合って、思いやり合っているストーリーにたくさん出会えてほっこりした。 - 2025年11月19日
体験格差今井悠介読み終わった気になるタイトルで図書館で借りてきた。 ここでの体験は習い事やクラブ活動、休みに参加するキャンプや旅行、地域のお祭りなどの行事、スポーツ観戦や芸術鑑賞、博物館や動物園に行くなどのアクティビティなど、幅広い。そして、そこに関わる人は学校の教員や家族以外にもさまざまだ。 習い事に通わせる、放課後の部活ひとつとっても遠征費などで「お金がかかる」というのは巷でもよく聞かれる話。 学校の課外活動で利用していたはずの少年自然の家などは、経営不振によって国の補助を失い民営(高所得者向け)へ、放課後のクラブ活動から民間のスポーツチーム所属へ。 各家庭の経済格差が広がる中、体験を得られる格差も広がっていく。 著者は子供にとって体験の機会とは、必需だという。 沖縄にあるNPO法人の子どもたちを支援している方がある時、子どもたちを連れて北海道に旅行に行ったという。 子どもたちは北海道に着いても、沖縄に地元にあるようなアニメショップやゲームセンターなど普段の生活と同じことをやりたがったそうだ。 今までいろんなことを体験したことがないから、「北海道でこれをやってみたい」、そういう選択肢が頭に浮かばない。貧困とは「選択肢がない」ということ。 子供の貧困問題の中心にあるのが、体験格差だ、という話が心に残った。(20p) 家庭だけに依拠すると、格差は広がるばかり。親の努力の大小に関わらず、自分では変えられない「生まれ」に子供達が放置されているという社会的な構図がある。 そしてその放置は世代を超えて繰り返されていること。(153p) 取り残される子供達がいないための支援って大事だな。子どもが成長するのに必要なこと。 わたし自身に子どもはいないながらも、自分が子どもだったころのことを思い返すと、豊かな経験は親や学校だけでなく、地域や自治体の支援があったからこそなんだと思う。行政からの支援が増えてくれるといいなと思う。 - 2025年11月17日
- 2025年11月13日
南洋人民共和国備忘録及川茜,松浦恆雄,濱田麻矢,王徳威,福家道信,高嘉謙,黄英哲,黄錦樹読み終わったサイノフォン第一弾でマレーシアの華人についての小説を読んで以来、興味を持ち、今回楽しみにしていた第二弾。 台湾や香港の中国語は日本人にとって馴染みがあるものだけど、マレーシアやシンガポールの人の話す中華世界ってなんだかイメージが湧かない。 それがまた人民共和国→共産主義という、今は活動していないマラヤ共産党にスポットが当てられている。 作家は名前からもわかる通り華人で、マレーシア生まれで現在は台湾に住んでいるという。 マラヤ共産党は日本占領時に抵抗して戦った人たちであり、独立時にも戦い政府には負けている側なので、なんとも悲しくジャングルでの戦闘は本当に泥々としていて、憂鬱になる。 ”蘭“と名前につく女性が多く出てきて、心が真っ直ぐ強かったり、魅力的に描かれていたり、状況が状況なので皆幸せではない。しかしじっと耐える姿や悲しみと向き合う姿が印象的だった。 実在した人物も織り交ぜられて書かれており、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか、知識が乏しい分判別がつかなくて混乱するところも多かったが、興味深く読んだ。 華人だからなのか、中国の小説が持つ独特の空気感(わたしが勝手に感じているもの)がこの作家にもあった。中華文学の世界も広いことを知らせてくれる。 - 2025年11月13日
- 2025年11月13日
「あの戦争」は何だったのか辻田真佐憲読み終わったボルネオ島コタキナバルからクチンまで陸路で、という計画で、陸路だけで行くにはスケジュールが合わず(バスが毎日運行ではなかった)、ラブアン島に渡り、船経由で無事走破。 ラブアン島に東條首相が南洋外交の際に立ち寄ったということがこの本に書かれており、この島には博物館もあって日本統治のことも一部展示がある。このことを知った上で行けてよかった。この本がなかったら、博物館のことも知らなかった。 個人的な見方で偏っている部分もあったなと反省(アジア外交に政府は上から目線のことが多いのではないかと思っているので)、著者の広い見識の中で少しクールダウン。 近現代史の博物館の存在が国立の機関として存在しないという問題認識を持つことができた。
- 2025年11月11日
海をこえて 人の移動をめぐる物語松村圭一郎読みたい - 2025年11月3日
アーベド・サラーマの人生のある一日ネイサン・スロール,宇丹貴代実読み終わったすごくよかった。 ある日、パレスチナの子供を乗せたバスの衝突事故が起きるというノンフィクション。 戦争の問題ではなく、痛ましい交通事故からパレスチナ・イスラエル問題の中にいる人々の暮らしや考えに触れることができる。 分離壁のように民族で白黒つけられるものではなく、その中にはもちろん、シオニズムに反対のイスラエル人もいるし、イスラエル人から利権を得るパレスチナ人も出て来る。 タイトルにある名前はこの事故の犠牲者である父親の名前。 事故と並行して、ストーリーは父親の生い立ちに始まる。 アラブ人によくある従兄弟も兄弟のように親しい間柄のたくさんの家族、恋人、妻たち、そして事故に遭った子供たち、子供たちを乗せたバスの運転手、教師、救出者、医療スタッフ、事故を起こしたトレーラーの運転手など、さまざまな角度からこの事故を追っていく。 イスラエルが築いた分離壁があるため、パレスチナ人は自由に動くことができない。この壁の建設に従事した設計者や政府のことも書かれているため、救命援助が迅速に行われなかった背景なども、これによってよくわかるようになっている。 個人的には、イスラエル内での階級構造に触れているところも、入植地が増えている背景として、今のパレスチナ・イスラエルの問題についてまた理解がひとつ増えたように思う。 入植者であるモロッコから来たミズラヒのユダヤ人の存在。彼らは東欧系アジュケナジムからは蔑視されているが、土地を接収、移住して共同体を作ろうとする。そしてパレスチナの土地がどんどん縮小していく... パレスチナに寄り添いつつも、批判や糾弾することなく淡々とストーリーが進んでいくので、とても読みやすかった。夢中であっという間に読んでしまった。また必ず読む。 - 2025年11月1日
自閉スペクトラム症の私は、いかにこの世界を生きているか斎藤真理子,松本俊彦,柴崎友香,横道誠,石原真衣,頭木弘樹,高野秀行読み終わった「脳の多様性」(ニューロダイバーシティ)と言う言葉は聞いたことがあり気になっていて、読んでみた。 以前は自閉症やアスペルガー症候群と言われていたものが自閉スペクトラム症(ASD)と呼ばれるようになっている。 コミュニケーションに障がいがあるとか、こだわりが強いとか、説明ではそのように言われるけどどんなことでも言われるように、<ある/ない>ではっきり括られるものではない。脳の個性、というふうに簡単に言ってしまえば、そんなふうに言えるかもしれない。 斎藤真理子さん、高野秀行さん、柴崎友香さんなどなど著名人と著者の対談を通じて、ASD者の世界の見え方や困りごと、感じ方への理解に少し近づけた気がする。 - 2025年10月29日
「あの戦争」は何だったのか辻田真佐憲買ったXでダースレイダーさんと著者の辻田さんに教えてもらった。 ボルネオ、ラブアン島に行く予定で、この本にも出てくるよう。いいタイミングでこの本に出会えてよかった。 - 2025年10月29日
読み終わった地平10月号のどこかで紹介されていて手に取った本。 「多くの本土の者にとってはかわいそうな同情の対象でしかないという沖縄戦のとらえ方を根本的に変えたいという思いがあった」とおわりに著者は書いている。 平和学習のために沖縄に行ったことがあるものの、著者が変えたいと願うこの感情は少なからずあったように思う。読めてよかった。 軍への献身的な犠牲を強要する体制、それを教科書で「集団自決」として習ったが、今は削除されていること。 沖縄は移民経験者が多く、英語など外国語が話せるために助かった命も多くあったこと。 反対に、中国から帰って来た人は日本軍の蛮行を見ており、捕虜に取られたら米軍にひどくやられるのではないかとを話したため、日本軍の促す集団自決のプロパガンダを助長したこと。 日本軍、その中には沖縄出身者も含め書かれていること、アメリカ軍のこと。 大きな流れ、証言などの小さな声も多く書かれており、両者が合わさってボリュームがあるにもかかわらず、とてもわかりやすく読めた。 「歴史を扱う際に、それが観光と結びつくと、歴史認識を歪めてしまうことが多い。(略)負の歴史、特に日本が加害者であった歴史は消されてしまうことがしばしばある。」 これは広島在住者としていつも考えていることではある。 もっと勉強して、いつかまた沖縄に行ってみようと思う。 - 2025年10月24日
世界文学をケアで読み解く小川公代読み終わった今年は「ケア」の新しい意味を知った年。小川公代さんのケアの本を読んでいるとホッとするし励まされる。 それは<多孔的な自己>という言葉を得たからだと思う。 「一人の自己のありようにとらわれるのではなく、複数の他社の内面に去来する回想、空想、願望、改悛などが想像世界において共有され、広がっていく。」 一人でなんでも頑張らなきゃ!っていうのは間違っているし、介護など、人にしてあげるのも、一方的なものだとケアにはならないのだ。 そういうことを小説のみならず、映画や漫画などから解説して示してくれる小川先生。 この本は海外文学から紐解いてくれる。ハン・ガン、大江健三郎、マーガレット・アトウッド、ルシア・ベルリン、トニ・モリスン、石牟礼道子などが引用され、今まで読んだ本の見方も変わるし、新しい本は読んでみたいと思うものもあった。 ケアについての本、たくさん出ているので来年も深掘りできるといいな〜と思う。 - 2025年10月23日
熊はどこにいるの木村紅美読み終わった傷を抱えた女性たちが山で自給自足の生活をしているところ、拾ってきた子供を育てるストーリーで始まる。そして、いろんなことがちょっとずつ絡まっていく。 子供はどこから来たのか、母親は誰なのか、父親は誰なのか、誰もわからない。日本にある社会問題が垣間見えるようで、ハッとする。 山に住む女性たちは子供を迎え、少しずつ住人の関係性が変わっていく。生活環境が閉鎖的であり、女性である故なんだろうか、嫉妬も見え隠れする。 このような閉鎖的環境で生活している一人、リツという女性が気になった。子供の時に性暴力を経験したトラウマがあり、男性は絶対拒否なのだが、家父長的な面があり、子供を迎えてトラウマを乗り越えるのではなく、違う方向に行ってしまう。 このストーリーででてくる食事はどれも美味しそうで、皆ができることをして補い合って生きているように見えるが、実は助け合って生きているわけではない気がする。 子供に向けられているのも慈しみであることは間違いないのだが、それを取り囲む女性たちの関係性がどんどん歪になっていき、社会にある(ちょっとイヤな)人間関係の姿を究極の形で見せつけられたような気がした。 性暴力の場面、子供の孤独、母親たちの絶望に比べればとるに足りないものかもしれないが、それも同じように重く印象に残った。 - 2025年10月23日
戦争と芸術の「境界」で語りをひらくチョン・ユギョン/Jong YuGyong,チョン・ユギョン/Jong YuGyong,山口祐香読みたい - 2025年10月20日
みえないものイリナ・グリゴレ読み終わった前半はお子さんとの会話、子供が持つ純真なものの見方を大切にしていて、母親である著者もそれを楽しんでいる姿が微笑ましかった。 お母さんである著者も、どうしてそんなに綺麗な心のまま大人になれたのだろう?と思うくらい純粋で、不思議な輝きを放っている。 後半は“彼女“で語られる辛い話が続き、傷がむき出しで読み進めるのに辛かった。 前半同様、幻想的なシーンや表現はいくつかあるものの、人々の語りの中で聴き過ごしてしまうかもしれない小さな声を拾い上げてくれて(それがたとえフィクションであっても)、わたしたちに示してくれたのはありがたいことだと思った。 - 2025年10月20日
見知らぬ人を認識するイザベラ・ハンマード,岡真理読みたい - 2025年10月17日
- 2025年10月17日
彷徨インタン・パラマディタ,太田りべか読みたい
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