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Sanae
Sanae
@sanaemizushima
Reisen und Lesen 旅行と読書が好きです
  • 2025年7月10日
    移動と階級
    移動と階級
    移動する人は成功する、という言葉には少し違和感をもっていて、その違和感に対しても丁寧に解説してくれている本だった。 膨大な情報から筆者がひとつひとつ読み解いてくれる。 経験上、仕事で、たとえば欧州と南米のカップルが第三カ国(アジアが多い)に一時的に住んで子どもを育てているような家族に出会ったり、旅行で数年間家に帰っておらず、ずっとサバティカルして、世界各地転々としつつ仕事している人に出会うこともある。 そんな中で移動も滞在も多様化しているなと感じることも多い今日この頃。 ジェンダー、障がいなども含め、多角的な面から格差を拾って移動についての検討は意義深いと思う。 筆者が移動について関心を持った理由も興味深かった。長野県のご出身で、首都圏から移住してくる人が多い土地でもある。移住者と触れ合う中で芽生えた関心とのことで、それもすごく納得。評判のパン屋さんって、長野に移っちゃうことが本当に多いんですもの!
  • 2025年7月9日
    イスラエル=アメリカの新植民地主義
    イスラエル=アメリカの新植民地主義
    ニュースサイト「ミドルイースト・アイ」の連載記事で、10.7以降のものが読める本。 サイードの後継者とも言われているというダバシ氏、これが連載記事だからなのか、ダバシ氏のお人柄なのか、サイードより個人的に読みやすいと感じた。 時に姿勢を正したくなるように感じるところもあるけど、ダバシ氏はユーモアもあり興味深く、あっという間に読み終えた。 この本からは多くの情報を得た。フランチェスカ・アルバネーゼについても言及しており、SNSでフォローして情報をチェックするようになった。 折を見ていつでも振り返られるよう、手元に置いておこうと思う。
  • 2025年7月9日
    ほんとうの中国の話をしよう
    ゲンロン18「一族の想像力」の中で、この本の作家・余華「兄弟」について書かれてあった。それがきっかけでこの作家のエッセイが読みたくなったのがきっかけで手に取った。 タイトルがまずそそられた。私たちが知っている中国と、中国に住む知識人が見る中国がどう違っているのか、面白く読んだ。 10のタイトルから繰り広げられる中国のさまざまなこと。 「忽悠(フーヨウ)」という言葉はスラング的にホラを吹く、そそのかす、さらにはデマを飛ばす、でっち上げるという意味にまでなるという。 言ったもん勝ち、みたいなところがあって、それに対する取り締まりも強くない。それはハッタリになんと娯楽的要素もあるんだという。 フェイクニュースを見聞きしては、怒りしか覚えずストレスを溜めてしまう今日この頃、中国の寛大さに圧倒されるとともに、少しだけ、ほんの少しだけ、わたしも見習った方がいいかもと思った。
  • 2025年7月8日
    ジャ-ナリズム作品集
    ジャ-ナリズム作品集
    大好物ガルシア=マルケス。下積みのジャーナリスト時代から彼の才能は発揮されている。小説ではなく記事なのに、読んでいると時々クラクラする。 マジックリアリズムと呼ばれる文体はこの頃から活きている。 しかし訳者が大事みたいで、「戒厳令下チリ潜入記」はあまり好きな訳ではなかった。 旦敬介訳「幸福な無名時代」は好きな本のひとつ。 今回は鼓直訳。それなら間違いない、と思い読み始めるが、やはり面白かった。 ガルシア=マルケスの弱者に気持ちを寄せる着眼点もとても好きで、朝鮮戦争に行ったコロンビアに兵士の話は興味深く読んだ。 広島在住ということもあり、スペインの神父が原爆投下から救援に奮闘した証言も印象深かった。 ガルシア=マルケスの作品を多く知っている読者であれば、追った事件とルポタージュから、この作品に影響を与えたんだろうな、と思いながら読むことができる。そうでなくてもとてもスリリングでウィットに富んだ文章。 やはり好きだな。
  • 2025年7月7日
    野蛮の言説
    野蛮の言説
    中村先生のXで今こそ読んでもらいたい本と紹介されていた。 選挙までには読みたい。結果が怖すぎる、、、
  • 2025年7月4日
    レイテ戦記(一)
    今月のフィリピン旅行に持っていくため文庫で4巻まるっと購入。 これをフィリピンで読むのが学生の時からのToDoだった。
  • 2025年7月1日
    ビラヴド
    ビラヴド
    中村隆之先生「『カリブ海序説』をめぐる34冊」にリストアップされていた本。 モリスンは他に「ソロモンの歌」しか読んでいないが、こちらの方が同じ女性として心が痛むストーリー展開だった。人が人として扱われない、とはどういうことなのか。 身体的、精神的な黒人の痛みは果たして昇華できるのか。語り継ぐべきではなかった、という言葉が重い。
  • 2025年6月25日
    レザルド川
    レザルド川
    やっぱりグリッサン好きだな。 詩的な文章から自然の匂い、鮮やかな色が浮かび上がってくるように感じる。 若者の生き生きした風景、45年の選挙という歴史が動くのではないかという場面。ドラマを見ているようだった。 政治的な部分、逃亡奴隷の歴史的背景など、訳者あとがきが非常に役に立ち、読み終わったあとに合点がいった部分も多くあるが、読んでいる時の鮮やかさは知識が欠けていたとしても楽しめる作品だった。
  • 2025年6月19日
    ミゲル・ストリート
    ミゲル・ストリート
    マリーズ・コンデ、エドゥアール・グリッサンが好きで、同じカリブ海作家に興味を持ち、読んだナイポール。 このストリートに住む愛すべき住人、クスッと笑える話が17篇。 家庭内暴力や貧困も描かれるが、心の中に何かが引っかかることもなく読み終えた。 ナイポールはのちに「トリニダードの人に私の文学が理解できるはずもない」と言ったという。 これを発言するに至った経緯、何があったのかはわからないけれど、、 最後の章、ナイポールかもしれない主人公がトリニダードを去る章でも心に残る部分がなかったのは、わたしがきちんと読めていないというだけではないかもしれない、と思った。 カリブ海思想研究の本、中村達著「私が諸島である」早く読まなきゃ!
    ミゲル・ストリート
  • 2025年6月15日
    優しい地獄
    優しい地獄
    急に変わった季節で身体も、こんな情勢で心もぼろぼろ、そんなタイミングでこんな素敵な本を読めて救われた気分。 映画監督を目指していたという著者の文章からは映画場面の風景が見えてくるよう。 美しく、著者の感性を通じて見えてくることを見せてもらって(読むというよりそんな気がした)、癒された本だった。
  • 2025年6月13日
    ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅
    ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅
    お客さんとみんなで読むために購入。 オトレンギとタミミ著の名版「Jerusalem 」を一緒に置いていると外国人も手に取っている。 ガザの状況などのコラムも頁数が多く、読み物としても料理本としても、とてもいい。 レシピも作りやすい材料のものが多いので、食べることが知ることの入り口になることを願って。
  • 2025年6月12日
    泣くな、わが子よ
    泣くな、わが子よ
    先日亡くなられた著者を偲んで。 白人による支配から独立を目指すケニア。 アフリカ社会の階級をうまく利用して、黒人同士の対立を煽り、白人支配者たちは独立意識の高まりをうまく交わそうとしていた。 これが今にもつながるアフリカでの内戦の原因なのだということがよくわかった。 ひとつの農村、家族のマクロな視点の小説を読みつつ、「新書アフリカ史」でマウマウ戦争の全体を鈍器本で復習する。
    泣くな、わが子よ
  • 2025年6月12日
    エクス・リブリス
    エクス・リブリス
    寝る前に少しずつ読もうと思って、寝室に置いていた本だったけど、キリよく終わらなくて他の本を持ち込んだり、たまらなく眠くて読まずに寝落ちたりで、なかなか読みきることができずやっと読了。 アメリカの歴史を知るための本だったり、アメリカ人らしい選書だなあと思うところも多かったけど、それも含めて読みたい本がまた増えてしまった。
  • 2025年6月8日
    ガザ日記
    ガザ日記
    2023年10月7日以降、G7各国の反応に幻滅してしまった。そしてガザのニュースを積極的に知ることをやめてしまっていた。 ホテルが多くある立地で飲食店をやっている影響でいろんな国の人に会う。少し前にイスラエルからの家族がやってきて、それがきっかけとなり、パレスチナ関連の未読のいろんな本を読むようにしている。 なんという衝撃、なんという悲劇。 しばらくここに何も書けずにいた。 著者の書いているようにこれは日記ではなく、無関心でいる世界に、ガザで起きていることを知ってもらうための本だ。 最後に小さく、「本書の収益は全額パレスチナ支援のために寄付」と書かれてある。それにも胸を打たれる。
  • 2025年6月1日
    アフリカ文学講義
    アフリカ文学講義
    マバンク「割れたグラス」助走のもうひとつ。 彼がコレージュ・ド・フランスに招聘され行った講義8回が読みものになったもの。 ずっと読みたいと思っていて、アフリカ文学を知るようになった今、これを手に取ってよかったと思う。いろんなアフリカにルーツを持つ作家を知った上で読むと(”講義を受ける“と言いたい!)、より面白く読めるし、また読みたい本も増えていく。 アフリカについて知らないことが多すぎる。 アフリカ土着の言葉とフランス語を話すことと書くこと、フランスとの関係、はたまたアメリカにいる黒人との関係など。 いつでも読み返せるように手元に置いておきたいくらいお気に入りの一冊となった。 マバンクのお人柄も出ていて、人間味のある面白い方ということもよくわかった。 訳者である中村先生が書かれたあとがきもよかった。
  • 2025年5月26日
    アントン・ブルックナー
    アントン・ブルックナー
    広響の前音楽監督がブルックナーをよく振っていた影響で、ブルックナーに親しみを持つようになった。 ブルックナーの作風は歳を経てもほとんど変わらず、若い頃に書いた作品を何度も手を入れて書き換えている。 そして楽譜が盗難に遭ったり、戦争で焼けていたりする版もあるし、ブルックナーではない人物によって手が入れられている部分もあったりして、ブルックナー研究はなかなか難しいようだ。 何度も書き換えるさまは優柔不断と言えるし、改訂を求められたところは一切変えず別のところを大幅に変えてみたり。作風が変わらなかったことを考えてみても頑固なところも多分にある。 作曲家その人をよりよく知ると、また聴き方が変わってくる。
  • 2025年5月22日
    雨雲の集まるとき
    雨雲の集まるとき
    近くの本屋では取り扱いがなくて、どうしようと思っていたら、雨雲出版さんから直接買えることが判明し、早速購入。 特典の往復書簡の一部がついてきたし、お手紙まで! 読む前から胸がいっぱい。読むのが楽しみ。
    雨雲の集まるとき
  • 2025年5月21日
    もうすぐ二〇歳
    もうすぐ二〇歳
    外で読める季節ももうすぐ終わりかな。 国書刊行会の「割れたグラス」を読み始める前に助走として「もうすぐ二〇歳」を読む。 ル・クレジオが寄せた文に先に書かれた「割れたグラス」についてのことが書かれていて、これも手にとってよかったと思った。 12歳のミシェル、どこか才能を感じさせる少年で、心の動きに共感する。 その土地に伝わる迷信などもたくさん出てきて、コンゴという国を少し垣間見たような気がした。
    もうすぐ二〇歳
  • 2025年5月20日
    至上の幸福をつかさどる家
    至上の幸福をつかさどる家
    アジア文芸ライブラリー、シリーズが始まり、刊行の辞を読んでから、このシリーズは必ず買って読むと決めている!今回も面白そう。
  • 2025年5月14日
    半分のぼった黄色い太陽
    半分のぼった黄色い太陽
    ビアフラ戦争を題材にした作品。ストーリーテラーであるアディーチェの作品は長くてもあっという間に読み切ってしまう! 戦争の話なのでつらく悲しいストーリーだけれど、ドキドキハラハラするところも多いのがアディーチェの文才によるところ。読後もずっとお姉さんのことを考えてしまう。
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