大豆田とわ子と三人の元夫 2

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- 読書猫@YYG_32025年7月10日読み終わった読み直した(本文抜粋) “「ダメな男トレーディングカード作れそうだね」 「作れます。ファイルケース、トレカでパンパンなります」“ ”「ほら、ちょっと余裕があって、一緒にいて楽な人っているでしょ? しかもこっちの話を何時間でも口挟まずに聞ける人」 「最高じゃないですか」 「って思ってたんだけど、そういう人って結局、人のことをただ面倒くさがってるだけなんだなって」 「その人が優しいのは、優しくしておけば面倒くさくないからなんだよ。一緒にいて楽しいのは、その人にとって、人間関係はサービスでしかないから」“ ”「いや、その人はただ、自分を上手く出せないっていうか、上手く言葉に出来ないだけで……」 「はい出た、言い訳の第一位、言いたいことの半分も言えなかった」 「言えたことですよ、言えたことだけが気持ちなんですよ」“ ”「あのね、過去とか未来とか現在とか、そんなのどっかの誰かが勝手に決めたことだと思います。時間って、別に過ぎて行くものじゃなくて、場所っていうか、別のところにあるんだと思います。人って現在だけを生きてるんじゃないと思う。五歳、十歳、二十歳、三十四十、その時その時を人は懸命に生きてて、それは別に過ぎ去ってしまったことなんかじゃなくて。あなたが、笑ってる彼女を見たことがあるんだったら、彼女は今も笑ってるし、五歳のあなたと五歳の彼女は今も手を繋いでいて、今からだって、いつだって気持ちを伝えることは出来る。人生は小説や映画じゃないもん。幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのは、その人がどんな人なのかってことだけです」“ ”「逆にさ、夫婦なんて、強いとこじゃなくて、弱いとこで繋がってるものなんじゃないの?」“ ”「どうしてだよね。家族を愛してたのも事実。自由になれたらって思ってたのも事実。矛盾してる。でも誰だって心に穴を持って生まれて来てさ、それを埋めるためにジタバタ生きてるんだもん。愛を守りたい。恋に溺れたい。ひとりの中に幾つもあって、どれも嘘じゃない。どれもつき子。結果はね家族を選んだってだけだし、選んだ方が正解だったんだよね」“