ヒルズ・エンド

ヒルズ・エンド
ヒルズ・エンド
I.サウスオール
評論社
1976年1月1日
2件の記録
  • 空色
    空色
    @kagimusume27
    2025年7月24日
  • 空色
    空色
    @kagimusume27
    2025年7月24日
    のっけから不穏なムードなのだけど、 語りはどこかの第三者で、 とんでもないことが起きている主人公達への目は至ってクールで達観的。 こんなこと起こる訳ないって、誰だって思ってる。正確には、起こるかもしれないけど自分達のところじゃないって思ってる。大火事だって台風被害だって、何処かの誰かの出来事だって。ところが、第三者が語ることで、他人事にしてきた自分の隠していた蓋が開けられてしまうような気分になる。 そんなクールに言ってるけど、大変なんだってば!って、まるでその場にいる人みたいな気分になってしまう。これは罠?? ただし、この物語の大事なところは、リーダーもヒーローもいない集団が、自分達の知恵と力だけで生き抜く所なので、未曾有の大災害について語る為のものではないのだろう。 子供と呼ばれる人達が、どんなに必死に生きているのかを、大人と呼ばれる人達はつい忘れてしまう。本当に、大人は子どもだったことを見事なくらいにすっかり忘れて生きているのだ。 ヒルズエンドを読めば、子供が大人くらいに完成されてて、大人が子どもくらいに不安定だと気がつくことになるでしょう。 私もその1人です。
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