生きづらい明治社会
28件の記録
句読点@books_qutoten2025年12月2日読み終わった現代の日本も、これまでのやり方がうまくいかなくなってきて、将来の展望も暗いものばかりで、人々の鬱屈や不安感がたまり、物価は上がり続けているのに給料は上がらず、税金は高く、生きづらい世の中である。そうした中で、今年の流行語大賞が「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。生きづらいのは、個人の努力が足りないからだ、がむしゃらに働けばこの状況を打開できるはずだ、総理自身がそうするんだから、国民もそれを見習って働け、と言われているようで本当に憂鬱だ。問題は個人の努力の問題ではない。この社会の仕組みがどこかで狂っているからだ。その大元が変わらない限り、個人の努力では限界がある。 明治時代も、単純に比較はできないものの、この種の「社会的な成功は個人の努力次第」という「通俗道徳のわな」に多くの人がはまっていたという。不安と競争が渦巻く社会の中で、下層に置かれた人々はその状況を打開するために戦争をするしかないという恐ろしい方向へ傾いていった。実際に日清・日露を経て日本も朝鮮と台湾を植民地化し、その中で経済的に成功したものも多かった。しかしそうした一部の「成功者」の裏には、相変わらず悲惨な生活を続けるしかない人が圧倒的に多かった。戦場に真っ先に送られたのもこうした人々で、上流の人間たちは自分は戦場に行かずに済んだ。 これからの日本も、どんどん戦争に傾いていってしまうのだろうか。軍事費は鰻登り、武器輸出も解禁し、非核三原則も見直し、憲法9条も変えようとしている。また同じ愚を繰り返そうとしているのか。歴史に学ぼうとしない日本。極右勢力が幅を利かせ、台湾有事もむしろ起きてほしいと願っているかのようだ。議員定数も削減の方向で動くことが決まったらしい。ますます権力者たちに都合の良い政治になっていくだろう。小さきものの声は届かなくなるだろう。抗う声も押さえつけられるだろう。政府に批判的な言動をすれば「非国民」と言われる日も近いのではないか。 ああいやだ嫌だ。どうすれば変えられるだろう。抗えるだろう。
上原のあ@uen702025年11月26日読み終わったAudibleで。 数年前に「読みたい本のリスト」に入れていたものを確認していたら、Audibleにあるのに気がついた。どうして読みたいと思ったのかは思い出せなかったけど、面白かった。 「通俗道徳のわな」は心理学方面で「世界公正仮説」として語られるものだと思う。頑張ったら報われる世界であってほしい、自分は悪いことをしていないのに悪いことに巻き込まれる世界であって欲しくない、だから「被害者にも悪いところがあったのではないか」と考えて自分の信じる「公正な世界」を守ろうとする、みたいなもの。「先の見通しのない社会で希望を持つ方法」として通俗道徳が語られていたので、近い話かなあと思っている。 ↑あとから訂正:「公正世界仮説」だ あくまで明治時代の話であるとして、現代社会に通ずるところがあるように、表面的に感じられたとしても、慎重に語ろうとする態度に好感が持てた。つい安易に結びつけたくなるけれど、あくまで歴史のこととして、いろんな視点や不安を理解するための材料として自分の中にストックしておきたい。
修二@shu_22025年10月29日読み終わった名著。 明治時代の話を読んでいるはずなのに、現代の話を読んでいるように感じる。 日本社会は「努力したのに上手くいかなかった人」「努力が足りなかった(とみなされる)人」に対してとても厳しく、全て自己責任だとされる。 失敗しても、上手くいかなくても、挑戦できなかったとしても、人を切り捨てる社会であってはいけないと思う。 そういう切り捨てが今多発しており、根っからのいじめっ子精神と言えば優しい言い方だが、結局それが排他主義に繋がっているのでは。



kirakira30@kirakira302025年9月30日買った読み終わった明治時代の生きづらさと今の日本が置かれている状況は似ているところがたくさんあるなぁと思いながら読んだ。「通俗道徳のわな」、今、再び強化されてきているような気がする。
さおり@prn9909082025年5月18日読み終わった「はじめに」と「あとがき」に添えられたメッセージが優しくて胸がギュッとなった.そのあとの「岩波ジュニア新書の発足に際して」にも泣いてしまいそうになる.当時書かれたルポルタージュの引用や内容に触れる際に当時はこういうバイアスが存在しておりそのうえでこういう書き方をされているから注意して読まなくてはいけない、みたいなことをちゃんと書いてくれているのなんというかありがたいな…と思った.読み進めていて、なんかここに記されていることは現代におきかえても「ガワ」が精巧になっているだけで今もそんなに変わってないんじゃないのかとか特に騒擾とか場所がネットに変わっただけとちゃうんか…と思った.近代史、最近勉強(というか新書を読んでいるだけですが…)をはじめたばかりでまだ全然だけどそれでも「この政府のこの(当時は評価されてなかったり酷評されていた)政策は今ならもしかしたらもっと評価されたのでは」と思うところがあったりして、それは今までのことを「知って」いるからこそなんだなと思ったし、この本でまたひとつ「知る」ことができたから、いま起きているいろいろなことを、冷静に見つめる目を常に持っていたいなと思った.

annan@tsundokunoyama1900年1月1日読みたい司馬遼太郎みたいなかっこいい明治時代は幻だと、ずいぶん話題になったっけ。こんど新しい御本を出されるそうだが、ワイはまずこっちを読まなきゃ。






















