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さおり
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@prn990908
本が好き/欲しい本のリスト化・読んだ本・読んでる本の記録がしたくて登録しました/ そのほか:ドラマ倶楽部男女バディ部門所属/大切なことはすべてポルノグラフィティが教えてくれた/
  • 2025年10月11日
    「透明」になんかされるものか --鷲田清一エッセイ集
    静かで優しい眼差しがじわじわと沁みてきて、最近のいろいろなことで、薄らと荒んでしまっている心をそっとあやしてくれているようなそんな心地になる言葉が連ねられていた.決して激しくはない落ち着いた平易な言葉が並べられていて、それでいて読んでいくうちにぽっと火が灯ったようなあたたかいものが体のなかに宿ったような気持ちになれた.この本の帯にある言葉も本当に良くてめちゃくちゃグッとくるんだけど「腸(はらわた)から滲みでてくる言葉」というところの「人の思いは言葉の腸をとおして滲みでてくるもの、ときにはそれを破いて吹きでてくるもの」という文章に心を掴まれた.そういうふうな言葉を拾っていきたいし、自分もそういう言葉を使いたいなと思う.
  • 2025年10月6日
    学校では教えてくれないシェイクスピア
    男子校の高校生に向けた授業を書籍化したもので「男の子のほうがジェンダーについて触れる機会が少ないと思うから」という視点が良いなと思ったし高校生たちのレベルが高くてすごいなと思った.シェイクスピアの作品というよりはシェイクスピアまわりのことで、どういう書き方をしていたのかとか、当時の劇団や劇場の事情のこととか、作品を解釈(批評)するときの取っ掛りの見つけ方とかを説いてくれていて、それがわたしには良かったなと思う.シェイクスピアを見る(読む)ときはそこまでその時代のことを頭には入れなくてもいいということと今の時代にも通じるところがたくさんあるから登場人物がジーパンを穿いていても良い、ということを知り肩の荷が若干おりた😂 シェイクスピア作品を上演するときや翻案するといの人種や戦争についての講義もあり、そこに一番グッとひきこまれたと思う. 「わたしの人生はディカプリオで狂った」みたいなことを言われているところがあり、そこでは思わず笑ってしまった. 人文系の教育は十年とか二十年後に人生で役に立っても良いという言葉が素敵だなと思った.
  • 2025年10月2日
    ブラム・ストーカー『ドラキュラ』10月
    ちょっとずつ読み進めるはずが第2回からグッと引き込まれてイッキ読みしてしまった.6日からの放送がとても楽しみ.「そういう風に読めるんだ」という発見の連続だった.各回ごとのテーマも良かったしミーナに関する記述のところに特に感情移入して読んだし第4回の講義の「自分の認識を自分でコントロールすることはできない」「社会の認識もコントロールすることもできない」「違う認識を自分に注入するためには小説を読むこと、小説を読むと人間は本当に変わることができる」という結びの言葉がすごくよかった.
  • 2025年10月1日
    保守主義とは何か
    真っ当な保守という言葉をぽつぽつと目にするようになったのでそれってどんななんだろうと思って読んでみた.これ1冊で網羅しているとかそういうわけではきっとないと思うんだけど所謂自称保守の人たちが言っていることとはかなり違った印象を受けたし、真っ当だな…と思った(バカの感想)個人的にはやっぱりそれはちょっと違うんじゃないのみたいに感じるところもあったけど「なるほどな〜」という感じだった.そんな感じで読み進めていたけど終章の「二十一世紀の保守主義」の章ではグッときたところがたくさんあったし「政党が対話ではなく分断を生んでいる」みたいに書いてあるところでは既にこのとき(2016年の時点)でいま起こっているいろいろなことへの警鐘は鳴らされていたんだな…と感じた.この終章のところはこれからも何回も読み返すことになるかもしれないなと思う.
  • 2025年9月26日
    フランケンシュタイン
    フランケンシュタイン
    話の大部分を占める語り手に全く感情移入できないまま読み終わることってあるんだなと思った.フランケンシュタインおまえはもうちょっと人の話をきけよ何も人の話きかないじゃん.それで全てにおいて自分が「絶対的に正しい」と思っているの怖すぎる.ずっと怪物よりもおまえのその独善性のほうが怖いよと思いながら読んでいた.怪物のほうがまだ全然感情移入できる.ほんでエリザベスはほんとうにフランケンシュタインでええんか、たぶんモラハラですよこの人、あんたもっとほかにええ人おるでと言いたくなる.こんなんだからフランケンシュタインの最後のときもまったく悲しい気持ちにならなかったしその代わりに怪物の最後の叫びが悲痛に響いた.フランケンシュタインというよりは怪物の結末が気になって最後まで読んでしまう、という感じだったし、いま作られているいろいろなものの源流なっているんだなと確認できて良かった.巻末の解説も大学の講義の導入部のようで読み応えがあり良かった.
  • 2025年9月20日
    物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために
    「物語」には抗いがたい魅力があって私たちはどうしてもそこに手を伸ばしてしまう.それは「つながりたい」という欲求があるからでではその方法は「物語」しかないのかということと、「物語」以外の可能性についてその特徴と危うさとを挙げることで「だからといって安易にそこに飛びつくな」と言われているようだった.いやじゃあどうしたら良いんですか?みたいに思ってしまうけれど最後に新たな可能性を示してくれている.読み始めて最初のうちはなかなか頭に入ってこないところもあったけど「物語は人類が生み出した価値ある営みの一つである。だが、一つでしかない」という一文がバツンと自分のなかでハマってそこからはグッと読み進められたなと思う.あとわたしのなかで「終わりよければ」みたいな感覚があり「あとがき」の文章にもというかそこがもしかしたら一番グッときたところかもしれないので個人的には読めてよかったなと思います.
  • 2025年9月17日
    イン・ザ・メガチャーチ
    読み始めたら入れる保険はないしたとえ手持ちにどんな保険があったとしてもどの保険も適用されないです.「今という時代を鋳型に流し込んだらこういうかたちになりました」と言われたら「そうですよね」とこたえるしかない、「わたしはそういうんじゃないんで…」みたいに高みの見物を決め込んでも無駄です気づいたら引きずり下ろされている寧ろそういう人の方がもしかして読み終えたあとのダメージは大きのではないかとさえ思う.「逃げろオズワルドにされるぞ」という言葉はゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)のなかにある言葉でこの作品がたぶんわたしが「物語のもつ暴力性」みたいなものに初めて触れた作品でもあると思うけどまだここには「距離」があった気がする.「イン・ザ・メガチャーチ」はもう大分近い、すぐそこにある、わたしも嬉々として呑み込まれている節がある、そういう「生感」が凄まじかった. 「物語」と同時に「視野」という言葉も頻発しておりそのとおり「どこにフォーカスを合わせるのか」という話でもあった.皆わりとどこか冷静に自分のことや所属している「界隈」のことを見ているくせに、自分の身近なところに関しては急にその「解像度」が荒くなるところとか絶妙だった.きっとみんな「答え」を知りたくないんだな、と思う.大学の食堂のシーンに圧倒された.
  • 2025年9月15日
    世界の力関係がわかる本
    戦争が始まってしまうメカニズムだけではなくその「終わらせ方」にも焦点を当てているのが良いなと思った.そして始まってしまったら終わらせるのは本当に本当に難しくなってしまうんだなと痛感した.戦争をしないためにはどうすれば良いのかということと終わらせるためにはどうすれば良いのかということは決して相反するものではなく地続きにあるものなんだろうとも思う.平和が、世界平和が良いに決まっている、そこだけは皆が同じ気持ちであると思いたい.だからこそ冷静に考えて判断する目を持ちたいなと思った.
  • 2025年9月14日
    世界 2025年9月号
    せっかくこういう雑誌をはじめて買ったんだから時間かかってもいいから載ってる記事全部読んでみよう、と思って読んだ.骨太だなぁ〜!というのが一番の感想.どれも全部読み応えがある.でもどれからも「このままでいいわけないだろうが!」という怒りみたいなものを感じた.「言葉と言葉のかくれんぼ」を読んでいる時にじんわりと泣いてしまった.なにかできることを、と思う、どうしたらいいのかな、と思う、答えはたぶんずっとでなくて、わたしひとりにできることなんて限られていて、たぶんちっぽけなことでしかないのだろうけど、それでも休み休み、でも足をとめることをしないで考え続けていきたいと思う.
  • 2025年9月14日
    うれしい近況
    うれしい近況
    一気に読んでしまうのがもったいなくて、毎日少しずつ少しずつ読んでいた.ひとつの短歌を読んだとき、浮かんでくる風景はわたしのよく知っている日常や生活の風景や記憶の片隅にある場面で、だから強く「わかる」と思ってしまう.写真なんだな、と思った.言葉のファインダー越しにその人がきりとった世界を見せてもらっている.「特別な日」なんてどこにもなくて広がるのは日常のくだらなさやありふれたやり取りで、でも、その切り取りかたでしか見ることの出来ない煌めきや温度がある. 「I wanna be your プレーンな星 金型が100円ショップにもあるような」という短歌がとても好きです.
  • 2025年9月7日
    ババヤガの夜
    オーソドックスなのにあの一文を読んだ時に「やられた〜!」となりそしてそれがとても気持ちよかった.新道依子、スリルジャンキーという言葉がとても良く似合う、「死ぬのは怖くない。嬲り殺される前に、刺し違えて死にたい。」という一文がすごくこの人のことを濃密に表していると思った.尚子さんとの間にあるものに多分愛や絆というものを当てはめるのはきっと違っていて、それは2人のあいだでしか成立しない「なにか」でそれこそきっと替えがきかないもので「誰かの何かとして生きるのは、無理だ」という言葉の象徴みたいなものだと思った.ラストシーンは悲しくてそれでもどこか美しくてでも決定的な描写がないということに縋ろうとしている自分がいます.
  • 2025年8月31日
    それいけ!平安部
    読み終わったあとにほんとに「それいけ!平安部」とタイトルコールをしたくなる.アクシデントはつきものだけどそれにのっかって誰かの足を引っ張ってやろうとか叩きのめしてやろう、みたいな人が1人もいなくてそこがすごく素敵だった.平安部の子たち1人をのぞくときっと「地味」なほうにいるタイプの子たちだと思うし、いわゆる「眩しい」タイプの青春小説ではないと思うけど、活動内容めちゃくちゃあやふやなんだけど、読んでるうちにめちゃくちゃ応援したくなる、平安部の活動をずっとそばで見守っていたい気持ちになるし、いみじ!って言いたくなってしまう、最後のページを閉じながらまた平安部のみんなに会いたいな、と思ってしまう、そんな本です.
  • 2025年8月28日
    戦争と法 命と暮らしは守られるのか
    結構前に購入したものの「絶対に書いてある内容はシビアだよな…」と思ってなかなかページをひらく覚悟ができなかったけどお盆休みにNHKスペシャルとシュミレーションというドラマを見て「いまちゃんと読んでおこう」と踏ん切りがつきやっと読めた.書いてあることはやっぱりキツくて「マジか…」とページをめくる度に思った.有事が起こって家がなくなっても負傷しても命がなくなっても何の保障も補償もありません!守るのは「国家」であり「国民」ではないからね!みたいなことをこれでもかというくらいつきつけられる.もし核が使用されてしまったらどうなるのか、治安維持法について、どうやって戦争が引き起こされてしまうのか、第二次世界大戦の際にナチスがどのようにして力をもったのか、日本軍の加害についても触れられておりどれも読み進めるのがしんどかったけど、やはり読んでおいてよかったなと思う.「人は誰でも権力を持ちたがり、いったんけん権力を握れば濫用したがる」そんなのみんな知ってるよ、と言われるかも知れないけどやっぱり改めて言葉にして意識しておくことも大事だなと思うから、ここに残しておきます.
  • 2025年8月26日
    本はどう読むか
    本はどう読むか
  • 2025年8月26日
    愛の断想/日々の断想
    愛の断想/日々の断想
  • 2025年8月23日
    論文の書き方
    論文の書き方
    名著…これはそりゃずっと読み継がれるよなと思った.「舟を編む」というドラマを完走したタイミングでこの本を読めて良かったなと思う.今きっと皆が何かしら文章を毎日書いてそれを読んで読まれる時代になっているのだと思う.言葉を扱うということ、文章を書くということ、それに真摯であれ、と語りかけてくれる本だった.炎上商法、デマ、誹謗中傷、そういった目的で使われる言葉や文章が氾濫している今だからこそ、ここに記してあることを大事にしていきたいなと思う.「無闇に烈しい言葉を用いると、言葉が相手の心の内部に入り込む前に爆発してしまう。言葉は相手の心の内部へ静かに入って、爆発を遂げた方がよいのである。」とかめちゃくちゃカッコイイなと思ったしあと「著者の身代わりになって表現出来るほどにマスターした書物や論文であってこそ、本当の批判を加えることが出来るのである。」にも痺れた、心に刻んでおきたい.
  • 2025年8月19日
    独断と偏見
    独断と偏見
    本屋さんでまえがきを読んだときに「あなたの言葉を1冊の本にしてお守りとしてもっていたい」と編集者の人に言わしめる言葉ってどんな言葉なんだろうな、と気になったから買ってしまった.客観性がずば抜けている.色んな視点を持っていてそれを自在に切り替えられるんだろうなと思ったし非常に冷静にどう自分を切り取ってみせるか、という判断をしているんだな、という印象を受けました.あと自分の中に確固たるバランス感覚と距離感がありそれがこの本の中の言葉から感じたしなやかさにも繋がっていっているんだろうな、と感じました.ところどころで森博嗣先生の言葉を思い出したりもし、まさかこの本を読んでいて思い出すなんて…となったりもしました.
  • 2025年8月17日
    ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること
    読んだ〜‼️とりあえず読み切ったことへの達成感が凄い.中がくり抜いて秘密の鍵が埋めてあるとかじゃなくて全部が紛うことなき文章、文章で埋まっています.短編がまるごと7篇引用されているというのもあるがそれより何より読み解きがとても濃く読み応えがある. 最後に収められている「壺のアリョーシャ」10ページしかないのに叩きのめされた(虐待に次ぐ虐待で本当に短い話なのに「ヤメロ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️😭😭😭😭😭」と何回も思った…)のと最後の段落の解釈がわたしが受けとったものとは全く違っておりやはりひとの解釈(それもプロのもの)を読めるのはありがたい…となった.「おわりに」に書いてあることは希望であり祈りであると思う、読書を純粋に楽しめる自分でいたいと思った.
  • 2025年8月16日
    批評の教室
    批評の教室
    好きな作品のことを語る言葉を見つける方法が知りたくて読んだ.そういう方法や批評のテクニックも読んでいてとても参考になるなと思ったけど、大事にしたいなと思ったのは好きな作品のなかでも納得出来ないところはあってもいいしそこに蓋をしなくても良いしその逆もある.大事にするべきというか起点にするべきなのはその作品を前にしたときの自分の素直な気持ちであるんだろうなということとその作品に対する誠実さなんだろうなと思った.
  • 2025年8月15日
    論理的思考とは何か
    ご多分にもれず、アメリカ型のものを「論理的な書き方の典型」であると思っていたけど、そうではなく「論理性というものはその国ごとに変わる」という視点を知れたところがとても良かった.日本型のものは感想文(笑)みたいに自虐的であったり揶揄される対象になったりすることが多い印象があるけれど、ちゃんと目的と理想を設定して感想文というものが枠組みに入れられていることを知れて良かった.ただ本来「正解がない」とされているものだったのに書く側が読む側のことを意識しすぎるあまり「正解」のようなものを模索しすぎているんじゃないか、それが日本型の感想文の問題なのではないか、と思った.フランス型とイラン型のものはこの本で初めて知ったけど、アメリカ型のものだけではなくこのフランスとイランの書き方も学校の授業で触れるようにしたら良いのでは?と思ってしまった.わたしは特にフランス型の「常に問い続ける姿勢」が良いな、と思ったしこういう書き方にも触れることで日本型の感想文を書く時に「周りの目を意識しすぎない」で書くことができるようになるのでは?と思った.
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