音楽と文学の対位法

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- さとう@satoshio2025年7月31日読み終わった借りてきた浦久俊彦さんの『音楽家は本を読む』に出てきて知った本。 文学の知識が全くなく、作中に出てくるボードレールやルーセルたちも「なんか聞いたことあるかも〜」ぐらいだったため、難しかった。けどおもしろかった。せめてフランス文学の流れだけでも掴めていれば、さらにおもしろいんだろうな。歌曲に取り組む時だけ、その曲の歌詞のみ調べていたことを後悔してしまう。 「ホフマンにとっては、スタイルや語法上の古典派、ロマン派ではなく、音楽そのものが本質的にロマンティックな芸術ら唯一純粋にロマンティックな芸術なのだ。」 「言葉を仲介する関係から、"冷静に思考する理性”の軛をはずしにくい詩に対して、音楽は媒介を必要としない、感性に直接はたらきかける純粋な芸術だからだ。」 「ワーグナーの楽劇ではしばしばネガティヴな性愛の形が描かれるが、作曲者自身はポジティヴだった。そしてその音楽は、"感情的に孤立ないし抑圧された人”たちをポジティヴに魅了する。そのねじれこそが、ワーグナー音楽の汲めども尽きぬエロスの源。」