【推しの子】 8

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- しをに@remnkkswn603062025年7月26日読み終わった1-8巻まで一気読み 転生ものが好きな私、とにかくアクアの人格のあり方が面白い。体と中身の乖離が激しく、その明確な根拠としてのアイが存在した時の方がガワに対する中身が明確に元の人格のままで、というより元の人格がそのまま場所を移して別のガワをかぶっている感じだった。のが、アイの喪失の先で、成長するにつれて元の自我が徐々に徐々に沈殿して、記憶や知識や感情は残っているはずなのに魂そのものが少しずつ置き去りになって、アクア自身が振り返る死者になり、亡霊となって、今のアクアの自我を追いかけてくる存在になっていくような、それがアクア自身の今が重なることで音もなく変わっていくような描写が、転生ものとして物凄く物凄く好み。そのトドメのようにして、8巻の最後に、彼は完全な死者として見いだされ、死者の側になる。彼が死者になり、アクアがアクアの在り方を考え直す傍らで、ルビーが別の何かになろうとしている。物凄く面白いです。人外の使者のような存在はあまり好みではないので、ここからどう展開していく気なのかという不安もあり期待もあり。ネタバレ全然踏んでないと思うので本当に続きを知らない。 それにしても、ここまで読んだ時点でアイドルという歌に改めて戦慄する。怖いくらいハマってる。「いつかきっと全部手に入れる」の手拍子が入るところから、ぐっと上り詰めて、同時に切羽詰まっていく感じが凄い。これだけは嘘じゃない、と言って辿り着いた愛の裏表で、産み落とした命は新しい命のガワをかぶったファンでもあって、もしかすると愛してるを受け取った側の方が自分の存在は彼女に対して噓なのではないかと思うのかもしれないのであって。じゃあ、親から子、子から親の愛ってなんだ、それは定義づけが必要なものなのか、アイが愛したものって何だった、彼らが追ってる影は何だった、みたいなこの…この…ぐるぐるした感じ…。この先の展開にハマるのかは分からないけど、ここなでの嚙み合わせは私にとってパーフェクトに近い。 近いうちに後半一気読みします。