老人と海(新潮文庫)

3件の記録
- 本の虫になりたいひと@reaaaads38692025年7月14日読み終わった老人と大魚の数日間の闘いを見た。ヨーロッパ文学の取り扱う時間は1人の人生単位、あるいは青春一単位が多い。それはヨーロッパは「時間のうえに築かれている」からだと訳者は言う。しかし、アメリカはヨーロッパ方面の人々が新天地として生活を始めた場であるので、ヨーロッパと比較して築かれてきた時間が短い。新天地を求めてきた人々は「空間」を求めてアメリカに来たのだ。「個性とは歴史的背景のうえに、すなわち時間の原理のうえになったもの」であるらしい。だからアメリカ文学は一人間の生涯を描写することに弱いらしい。しかし、訳者は、だからこそ人間の刹那的な感情の変化を表現することできるのがアメリカ文学の強みであると述べている。 実際、ダイナミックかつとんとん拍子で進んでいく物語だったため飽きずに読むことができた。