ふたつの時間、ふたりの自分

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- まいける@bluesky421952025年8月10日読み終わった『ふたつの時間、ふたりの自分』柚月裕子著 柚月裕子さんの小説が面白かったので、人となりが知りたくなりエッセイに手をのばした。 「祭りのひよこ」 自分が駄々をこねて飼い始めたひよこの最期をみさせた母の強い意志、その迫力は読み手にも伝わってくる。 「記憶は死なない」 父の書棚から取り出して読んだ「樅ノ木は残った」 津波で両親が亡くなって本が流されても手ざわりも父の記憶もなくなることはない。そう言い切れるまでどれほどの涙が流れたのだろう。 黒板五郎の「遺言」 「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。 謙虚に、つつましく生きろ。」 柚月裕子さんも『北の国から』が好きだったなんて嬉しい! 「母のぬくもりと」 一緒に布団に入った時のぬくもりと絵本を読んでくれた母の声か。自分の少年時代を思い出す。 朝露を集めて硯で墨を擦り、短冊に願いごとを書くと 叶うのか。 ああ、柚月裕子さんの大切な一冊に三浦綾子さんの「氷点」も! 柚月裕子さんの中で止まった時間と流れている時間がある。あれから14年経って、課題は山積みのはずなのに忘れるのが得意な日本人。やはり想像力の欠如が問題なのか。 柚月裕子さんのエッセイを読んでホロリとしたり、懐かしくなったり、怒りが沸いてきたり。読んでよかった。