やわらかいフェミニズム

やわらかいフェミニズム
やわらかいフェミニズム
河野貴代美
三一書房
2022年9月22日
1件の記録
  • やわらかいフェミニズムとは、形を持たずにそれぞれにあり、揺らいで時に反発し、時に強固に結びつくものだと解釈した。 様々な立場のフェミニスト達の語りや対談などがメインなので肩肘張らずに読むことができる 特に少女漫画からシスターフッドを読み解く章は楽しかったし、勉強にもなった。 バッククラッシュやポストフェミニズムを経た現在では商業とマッチした消費しやすいムーブとして、かたや特定の属性を叩くための道具としてフェミニズムが便利に使われている印象があるが、ここでフェミニズムの主題として女性同士の連帯、シスターフッドに立ち戻るのは大事だと感じた 女性の背景にある事情への想像力やジェンダー構造を直視し、批判的に考えることでシスターフッドは可能になる 女性という共通の経験があるから可能というわけではない 女性といえど生まれてきた環境や性格、それぞれてんでバラバラである 経験だけでなく、相手を尊重し、想像力を働かせる「他人の靴を履く」行為がシスターフッドには重要だ 同じ女性でも自身のフェミニズム的価値観のみで断罪したり、反フェミニズムであるとレッテルを貼るのはフェミニズム的でない、とはっきり書いてあったのがよかった フェミニズムの目的はあくまで性差別的な社会を変えることで、男性個人の弾圧ではない 本書は寄稿している一人一人の文章に触れることで、彼女たちの考えや経験の断片からフェミニズムの入り口に立てる本 共感や対話が大事としつつ、個人は結局分かり合えないという線引きをする。分かり合える、というのは単なる思い込みに過ぎない (というか、わかりますよ、という言葉自体が上から目線ですよと数年前当時の知人に指摘されたことがある) それでも対話を通して、知ることはできる この本を通して冴えた答えを得ることはできないが、考えに深みを持たせることはできた 書いている内容に古いところはあるものの、これからも繰り返し読みたい本
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