樹盗

樹盗
樹盗
リンジー・ブルゴン
築地書館
2023年5月30日
1件の記録
  • 私は職業柄、画材として木材を使用するのだが、その度に「この木はどこから来たものなのか」と思いを馳せたりする。 樹木を愛する身として、木材が身近にあることへの精神的な安心と、限りある樹木が伐採されてしまう事実の心痛が共存する。 なるべく無駄にしないような製作を心掛けているのは、本書のように「盗伐された木材」を知らず知らずのうちに手にしているかもしれないから。 木材の出所というのはあまり把握できない。適切に伐採されて生まれた木材なのかはあまり明確になりにくいように感じる。 本書は事実として「盗伐」で生きる者「盗伐」から守る者、両者の視点から書かれている。これほどまでに臨場感のあるノンフィクションは数多くないだろう。 個人の安心やこだわりのために不必要な木材が生産、消費されないことを願うばかりだ。
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