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Eukalyptus
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@euka_inrevarld
アーティスト、作曲家、哲学者、一応書店員。 人文書と理系の本が好きです。 哲学や自然科学、生物系を主に。 装丁や出版社もこだわりながら選びます。
  • 2025年8月24日
    藻類 生命進化と地球環境を支えてきた奇妙な生き物
    5,6冊並行して読んできたがようやく読み終えた。 藻類に関する書籍は5年前に刊行された本書で最新と言っても良いほどに類書が無いのが厳しい。 初めは藻類の誕生、次に具体的すぎるほどの具体例や活用例から、環境問題と藻類について述べられている。 藻類の誕生はとても心躍る面白い内容であったが、中盤は少々個人的に納得しかねる表現が続き、中弛みを経験した。根気よく読み続け、後半に差し掛かった時には、約10年前には事実として引き起こされているヒトと気候変動と藻類の身につまされるような問題について述べられている。 とても複雑な気分になる本であった。著者がアメリカ人なので、表現がアメリカナイズされており、心に引っ掛かる部分もあるのだが、藻類という視点でヒトと世界を考えていくのはとても大切なことだと常々考えている。
  • 2025年8月23日
    地衣類、ミニマルな抵抗
    地衣類、ミニマルな抵抗
    全人類必読書。現代の人々が求めているであろう観点が詰まった一冊だ。どの立場の人であっても。 「地衣類」について、芸術や詩歌の視点を中心に追求された書籍であり、菌類と藻類が「共生」しているという奇妙な状態について、そして語らずにはいられない魅力が書かれている。 これは訳者がかなり正直で優秀だ。あとがきにて、本書の第4章は、ざっくり内容が薄いと述べているが、1節1節がヘビーなので個人的にはそれくらいで読みやすかった箇所であったが、原書には誤字や文法のなっていないところも多数あったときっぱり評価している。 類書が無いので本書頼みなところもあるが、そこでクールダウンしてくれるよいあとがきと感じている。 最近読んできた書籍との関連も個人的に取れていて、「地衣類」について語られているはずなのに、どこか人間界に置き換わる。それもそのはず、それが意図だからだ。藻類と菌類が「共生」した存在が、本来生活に不向きな岩などに張り付いて、「ミニマルな」存在でこの世界に「抵抗」しているのだから。(後は読んで 私の哲学や美学の真理に触れるような部分もあり、ヘビーな本ながら地道に面白く読み進められた。ある節では気に入りすぎてノートにまとめたほどだ。 お値段は可愛くないし、頑張っても読了には1週間以上を要するだろうが、全ての人にお勧めしたい、そんな一冊であった。
  • 2025年8月15日
    樹盗
    樹盗
    私は職業柄、画材として木材を使用するのだが、その度に「この木はどこから来たものなのか」と思いを馳せたりする。 樹木を愛する身として、木材が身近にあることへの精神的な安心と、限りある樹木が伐採されてしまう事実の心痛が共存する。 なるべく無駄にしないような製作を心掛けているのは、本書のように「盗伐された木材」を知らず知らずのうちに手にしているかもしれないから。 木材の出所というのはあまり把握できない。適切に伐採されて生まれた木材なのかはあまり明確になりにくいように感じる。 本書は事実として「盗伐」で生きる者「盗伐」から守る者、両者の視点から書かれている。これほどまでに臨場感のあるノンフィクションは数多くないだろう。 個人の安心やこだわりのために不必要な木材が生産、消費されないことを願うばかりだ。
  • 2025年8月5日
    トレンドを生み出す!韓国のデザインと個性派ブランディング
    こちらはリファレンスブック(?)として読むものみたい。 大きな雑誌みたいな感覚でグラフィックです! 気になるブランドをサクッと調べるには情報が足りないけど、(去年パイインターから出ていた本の方が好き)それでも好き! でも私の1個前の投稿で紹介した本の方が役立つかもしれない…!魅力的なショップもそっちの方が多かった!しかしこちらは本当に読み物として、リファレンスとして見ていくのが良いと思います! そしてどれも韓国の感性が光っていて素敵! 面白いことに、後述のK-GRAPHIC IN DEPTH(グラフィック社)に載っていたK-POPアイドルのアルバムが2種類同じものが載っていたので、そのアルバムは相当デザイン視点からして良いものなのかもと思っています…👀
  • 2025年8月4日
    韓国発、人気ショップ100軒のデザイン
    韓国発、人気ショップ100軒のデザイン
    韓国人の感性は、日本人でも、その他の国の人でも再現不可能なくらいに唯一無二で独特だと思う。 私は外国に憧れるほど興味も無く、唯一興味のあるオセアニアも自然が美しいからであり、人工物的な、文化的な憧れは他国には韓国以外にほとんど抱かない。 私は韓国人が色々な国の文化やスタイルを見てきてそれを再解釈して生まれたものが大好き。 とっても読んでいて楽しかった!そして凄いと思ったな。日本で同じようなことは多分難しい。韓国の個人店はもっと自由で、ありのままだから。そこが本当に、言葉に表せないほど素敵。
  • 2025年8月1日
    香りの起源を求めて
    香りの起源を求めて
    香水や香りには、調香師の哲学や原料に隠された背景を想像させるから好きだ。 私は単に香りを愛しているのではない。その香りを構成する繊細な構築の機微を感じる。 そして、その原料が健全に抽出されたものであるといつも願っている。 ブランドの背景まで含めて良いと思える香水をなるべく手元に迎えたいとかなり神経質になっていたが、この本を読むことで、香りの原料を巡る問題などは隠されているわけではないと思えた。しかしまだ、それを知らずに香りを求める人はいるのだろう。 少しだけでも、この香りはどこから、誰の手によってやって来たのかを考えてみてほしい。
  • 2025年8月1日
    独自性のつくり方
    これを読んでハッとしたのは、私は本書のほとんどを「当たり前に」行ってきているという点だ。 読めば読むほど、「やっぱりそうだよね」「これいつもの私じゃん」と思う内容ばかり。 なので、私からしてみれば、薄めの本だし、内容は薄くはないのはわかっているが、目新しさがなかった。 そこで思うのは、もしかしたら一般的にはこういった考え方が不足しているのか、ということ。故に書籍化されているのか、と。 私は田村正資さんが書いた本だから読んだだけで、その『独自性』を欲して買う人の方が大半なのかもしれないと。 私ら世代の人たちは特にであるが、昨今の人間は「ライフステージ」というものショートカットしようと躍起になっているのだよ。 コストパフォーマンスや効率化、そんなワードがネットワークでは飛び交っている。 それほど、何かから逃げたいのか、スキップしたいのか…待てない人間が増えてきているかもしれない。 そんな時にこの本は「待った」をかけてくれる。私はデフォルトでできているので、再構築でもしないと伝えることが難しいが、何故そう感じたか、や何故そう思うか、といういわゆる「内省」にフォーカスすると本書の内容のような『独自性』を見出せるかもしれない。 そうそう、根本的に「内省的でない人」だったり、物事の奥行きを考えられず、「平面的にしか捉えられない考え方」の人は、この本を読んでも体得は難しいと思う。元々、あるものに対して多角的(立体的でも可)に捉えるタイプの人には理解がしやすいと思う。そういう文体だからだ。 *とてもざっくりと言うならば、MBTIでいう「N」と人には読みやすく、「S」の人には読みづらいかもしれない。
  • 2025年8月1日
    建築知識 2025年 8月号
    お店で読んでみて売れ行きも良好だったので購入! 類書も欲しくなるライトだけど面白い本! きちんと建築ッッて感じ…! 初めて建築知識買ったけど読んでいて楽しいわ〜これ。
  • 2025年7月27日
    皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章
    先述の『クィア・レヴィナス』の後半からこの本及びモンティ・ライマンを彷彿とさせた。 痛みの方は読んであるので、そろそろ皮膚の方も読みたいかも。
  • 2025年7月27日
    クィア・レヴィナス
    クィア・レヴィナス
    著者である古怒田さんの地道な投稿が私の心をゆっくりと溶かし、本書に魅了された。 私自身が私の抽象画と製作過程で生まれる哲学を通して自力でメルロ=ポンティの哲学へと辿り着いたこともあり、私の「実存」に係る興味はピークへと達していた。 個展が終わり、私自身の哲学をひとまず開始させた後、書店員へと属性を変え、その日に本書とメルロ=ポンティに纏わる博論本を購入した。そして、私が人文書の棚を担当し始めてから何となく作りたいと思ったレヴィナスの棚に目をやった。 実際、読んでいて難解に感じることも少なくはない。何度も読み砕くことを前提として食らいついた。そして、中〜後編になるにつれて、私が高校生の頃から断続的に感じ、悩んでいた「セクシュアル」な事にぴたりと寄り添う文章が構築されていることに気づいた。 私は言葉の定義によって同じ言葉を表記ごとに使い分ける。現在進行形で森林生態系や菌類学、海洋生態系の勉強を進めているため尚更だ。故に、その言葉に及ばないが確かに感じている「何か」を考えずにはいられなかった。そして、読む毎に著者が今までにどのような葛藤を感じてきて本書を刊行するに至ったのか、その果てしない過程を思い遣った。 レヴィナスは、とても開かれていると感じた。そして、「開かれている」と論じる事で開かれる道筋に私は期待したい。
  • 2025年7月17日
    香水の世界史
    香水の世界史
    ビジュアル重視、内容薄め。 最近ずっと文章びっしり読んでいるので、ビジュアル×文章だと文字が入って来ない。 個人的に勉強していくうちに中世ヨーロッパアレルギーになってしまい、読みながら当時の衛生観念を思い起こしてしまい、少し頭を抱えてしまった。 多分正方形のデカい装丁じゃなくて普通にB5とか四六でしっかり出してくれれば読めたなぁと思う。 だとしたらグラフィック社で出す意味なくなってしまいますよねー。。。 またいつかさらっと香水に関して漁りたくなったら軽く引いてくる本として流し読みしました。
  • 2025年7月15日
    マザーツリー
    マザーツリー
    圧巻だった。著者と森林生態系に関する研究と共に描かれた半生にとても心を打たれた。 かなりハードな書籍であるため、読み進めるにはかなりの時間を要したが、後半になるにつれて読む手が止まらず、うずうずする程だった。 森林についての新たな発見も、章を追うごとに増えていき、その壮大な人生と壮大な森の叡智に、私自身も影響を受けただろうと思う。 そして、その書籍が多数の書籍の参考文献になる理由がよくわかる。何せ先駆者なのだから。 必ず読んで欲しい。本当に忘れられない一冊となった。
  • 2025年7月14日
    ミニチュア作りで楽しくはじめる 10日でBlender4入門
    7日くらいで終わりましたー! blender少し挫けていたので敢えて初歩の初歩から丁寧にやっていったら本当にちゃんと楽しくて良い作品が作れました! 色々覚えていったり、これはこういうことね!っていうのがわかると説明見ながらでもアレンジを効かせられるのでオリジナル作品を作る上でも役立つ感覚が自分にあると思えましたっ!
  • 2025年7月10日
    枯木ワンダーランド
    枯木って、どうしてこんなに魅力的なの! 枯木の周辺には多様な生態系が広がっている。 無駄も含めて、無駄な瞬間がひとつもないのだ。 また、本書にはカーボンニュートラルや再生可能エネルギーについての疑問点や課題を提起してくれている。今行われているそれらはどれも短絡的であることは考えつくだろう。 成長の早い樹木を伐採し燃やすことで生まれる炭素、植林して樹木となる期間の長さを考えれば、森林を伐採し燃料とするのはどんどんと炭素固定ができなくなっていくということ。 この部分だけを切り取っても、世界全体が自らの利益や生き残りのために、今を犠牲にし、未来を疎かにしていることが窺えるだろう…。 前半はとても知的好奇心を満たし、後半は社会問題について考えされられる、著者の文章もとても興味深くて面白い一冊だった。
  • 2025年7月4日
    WAYS OF BEING 人間以外の知性
    WAYS OF BEING 人間以外の知性
    書影を優先して敢えてKindle版の方で投稿していますが、書籍で買った方がいいです。装丁が美しいので。 かなり難解な内容ではあったが、ちょうど樹木や菌類についての書籍を読み漁っていたこともあり、理解しやすい所も多々あった。 これは一度通読し、そこから興味の湧いた分野の類書で掘り下げるのが良いだろう。予め分野を補強した上で読むのもアリ。 では何が得られたのかと言うとなかなか答えを出すのは難しい。それくらい難解な本であった。ただ、ヒト以外の知性について思考したり、哲学するときには足掛かりになるかもしれない。 だから、より多くの人がこれを読み、どう感じたかに懸かっていると思う。この本は。 またゆっくり読み返そうと思う。 p.s.まだ読み終わっていませんが、私の読む本に参考文献としてよく『マザーツリー』が出てきますが、本書でも健在でした☺️あの本本当にすごいんだなって思いました。
  • 2025年7月3日
    BLと中国
    中国では検閲に引っかかってしまう「BL」を楽しむ中国人は如何様にして検閲をすり抜けているかが細かく説明されている。 私はそこに「サバイバル」を感じて胸が熱くなった。好きなものに対する情熱が人を生かす瞬間なのだと思った。 私は韓国におけるBL観も知りたい。ウェブトゥーンとの相性も良く、面白い作品は沢山あるので同様に書籍が刊行されることを願う。 そして日本におけるBLを学問することにも関心が湧いてきた。
  • 2025年7月2日
    しくみの内側のしくみ
    しくみの内側のしくみ
    作家の解説書とも言うべきか、そのような本自体初めて読むが、書店で販促のチラシを見ていた時から狙っていた書籍であった。 当時は取次の関係で返品不可品であり、私が買うと言ってもOKを出してくれなかったが、後日再送された販促チラシには随時返品可の文字が。感触がきっと良かったのだろう。即刻注文をかけ、時間をかけてようやく購入、読み始めた。私は抽象画家であるが、感性は立体造形的なので、彼女の哲学ともとれる作品の過程や姿勢はとても興味深いものがあった。そして、大胆な構図での立体表現に対する意欲も出てきた。 美大の大学院にいる友人の研究と似通った部分を感じたので彼女にも勧めた。 店頭でこの書籍を多く仕入れられる店舗は多くないので、オンラインで確実に購入する方が良いだろう。
  • 2025年6月27日
    饒舌な動植物たち
    饒舌な動植物たち
    人間の耳には聞こえない領域で、動植物はどのようなコミュニケーションや行動を取っているのかを各章でまとめている。 ミツバチやサンゴの章が最も興味深く、類書を読みたくなった。 クジラの章は、同じく築地書館の『深海学』を読むと更に理解が深まり、学びの補完になるよ。 更に心に残ったのは、海中での"騒音"が生態系に著しいダメージを負わせること。"騒音"の正体は、深海開発の工業音や船舶の音などを指している。その低周波音が、海中の微生物の状態すら弱らせ、生物は窒息したり衰弱することがわかったそうだ。私たちは一層、目に見えにくい領域に活きる生態系について考えなければならない。
  • 2025年6月25日
    メランコリーで生きてみる
    メランコリーで生きてみる
    「メランコリー」というのは、いつ、どこにでも感じ得る。しかしそれは多くは知られていない。 そんな「メランコリー」を感じる瞬間を、様々なシチュエーションから切り取っている。 ライトな内容で読みやすいが、「メランコリー」を持つ人にとっては、ささやかながらも共感できる一冊だろう。 私自身も「メランコリー」の塊なのでとても気に入った本です。最近の重版作品。
  • 2025年6月18日
    互恵で栄える生物界
    互恵で栄える生物界
    植物や動物は、人間の想像以上に共生しており、互いを助け合いながら生きていることが各章で明らかとなった。 どれも非常に興味深く、今や自然界を利用した商業は、効率や利益だけが優先され、生物多様性や森林生態系を無視した開発が進んでいるという問題も浮き彫りにした。 関連書籍も沢山あるので、様々な観点から更にアクセスしたくなるきっかけとなる一冊だった。
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