恋愛と贅沢と資本主義
6件の記録
- 万巻未読@SAo55622026年9月13日読了。奢侈ならびにその源泉となった性愛を資本主義誕生の原動力としたゾンバルトの著作。資本主義の本質にプロテスタンティズムの精神を見出した友人のマックス・ウェーバーとは一見真逆と言っても良いくらい対照的な論である。 確かにウェーバーの緻密な理論と比べるとやや皮相的な印象も受ける。彼の示す膨大な文献と例証の数々は奢侈の発展を支えたのは個人主義の隆盛だと論じるにあたっても間違いにはならず、即ちデュルケームらの言うプロテスタンティズムによって発展した個人主義こそが資本主義の原点だと言っても論理の飛躍はない。 しかし、システムとしての資本主義の特徴としては、奢侈を含むとめどない消費の連鎖は欠かせない機能の一つであり、その点では鋭い観察である。特に、封建時代の奢侈から資本主義時代の奢侈の変化を、非生産的奢侈から生産的奢侈(即物的奢侈)と表現したのは中々秀逸で印象に残る。 ウォーラースタインの論ずるようにシステム論として捉えるのであれば、内部の矛盾をこそ動力に資本の蓄積を続けていく資本主義においては、奢侈と倹約は必ずしも資本主義内部においては対立する理論ではなく、むしろ血統主義と普遍主義のように互いに資本主義を支える両輪と考えることもでかなるのではないか。



