山本周五郎長篇小説全集 8 正雪記 上

山本周五郎長篇小説全集 8 正雪記 上
山本周五郎長篇小説全集 8 正雪記 上
山本周五郎
新潮社
2013年12月19日
1件の記録
  • さぶ
    @sabu_shugoro
    2025年9月19日
    上下巻読了。由井正雪の乱の独自解釈+創作という構成。江戸幕府成立後による改易により職にあぶれ、浪人となった武士たちを憂い、なんとかして幕府の武断政治を変えさせようと奮闘した由井正雪の話。史実と異なる部分はあるが、山本周五郎のヒューマニズムが発露されている作品。「壮烈な死を選ぶよりも、敵の刃で最後切り伏せられるまで生きていこう」という類の言葉を発する由井正雪の生き様は「樅の木は残った」の原田甲斐を想起させた。どうしようもない世の流れの変化の中でも、自らができることはあるはずだ、と最後まで模索し続けるのか、自らの誇りとともに死ぬか、そのどちらの人物の生き様がしっかりと描かれている。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved