アジア映画の大衆的想像力

アジア映画の大衆的想像力
アジア映画の大衆的想像力
四方田犬彦
青土社
2003年11月1日
1件の記録
  • あるとき彼(陳凱歌)はわたしの家で日本酒をうまそうに呑んだ。やがて夜が更け、その場にいあわせた者たちが記念に一筆ずつ芳名帳に何かを書こうということになった。ふざけて川柳を書く者もいたし、酔って自分の似顔絵を描く者もいた。陳凱歌はひと呼吸してから筆を取ると、「紅衛兵世世代代熱愛毛沢東主席!」と書いた。みごとな筆跡で、周囲にいた者たちは一瞬沈黙した。そうだった、彼は日本でいう戦中派なのだと、わたしは改めてその経歴を思い出した。p.134
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