相撲を見る眼
1件の記録
みつき@mitsuki_o2025年10月10日買った読み終わった@ 電車九月場所を観ながら読んだ。尾崎士郎が相撲観戦に通ったのは昭和二年頃からということなので、関東大震災復興後の初代国技館と、蔵前国技館ということになる。生で観戦するほかには新聞などで試合の展開を知るしかない頃の尾崎士郎にとって、相撲というのは少年時代には自分でとるものであり、大人になっても文士同士でとりつづけつつ国技館に通いつめて観戦し続けるものでもあった。そんな著者の相撲観の変遷は「跋」(pp217-219)にさらりと書かれている。本書におさめられた文章は、土俵から国技館の外、東京の街のなかにまで広がり浜町や柳橋あたりまでを描く。相撲というものが都市において持っていた存在感を感じることができる。