医者の僕にハンセン病が教えてくれたこと

医者の僕にハンセン病が教えてくれたこと
医者の僕にハンセン病が教えてくれたこと
和泉眞藏
シービーアール
2005年11月25日
1件の記録
  • 目から鱗の、良書でした。こういう掘り出し物みたいな本があるから、読書はやめられません。ただ私には、この本の半分でも理解できる力はないのですが。 京都大学医学部に関わる誰かが、本書を書かなくてはならなかった。そういう書籍です。本書を読んで、ハンセン病を勉強する人には、光田健輔という名前よりも、小笠原登という名前の方が大切だなと、思いました。 本書で非常に重要な点は、ハンセン病患者の隔離自体は、やむを得ない場合があると、はっきり述べているところです。ノルウェー式の隔離とハワイ式の隔離があると、隔離にも種類があることを教えられました。 ただ、ハンセン病自体は恐ろしい病気ではないと、つまり通院治療が可能であるとも述べてもいて、医者としての冷静な判断が光っています。 繰り返しますが、京大の小笠原登がいたからこそ、現代の我々も、近代日本が犯した絶海隔離という過ちを批判できるのです。結局、熊本判決も、戦前日本の隔離政策を過ちだとは認めていません。でも、小笠原登の存在が、私たちの良心を目覚めさせてくれるのです。 また、現代世界の中では、ハンセン病の研究は地球規模で考える時代になってきていることも、教えてもらいました。
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