戦う石橋湛山新装版

戦う石橋湛山新装版
戦う石橋湛山新装版
半藤一利
東洋経済新報社
2008年1月1日
2件の記録
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年10月25日
  • 句読点
    句読点
    @books_qutoten
    2025年10月20日
    帝国主義・植民地主義に一貫して反対し続けた気骨のある言論人、石橋湛山についての評伝だが、満州事変前後、日本が国際連盟を脱退するところまでを中心に語られる。その過程でメディアがどんな役割を果たしたかが中心テーマ。 軍部が暴走した結果、日本は泥沼の戦争に突き進んだのだが、その裏ではメディアによる太鼓持ち、それに踊らされた国民の熱狂的な支持があった。その世論の後押しがなければ軍部もそこまで増長できなかったのではないか、と筆者は語る。実際、第一次対戦後の世界的な軍縮の流れの中で、軍人たちはかなり肩身の狭い思いをしていたらしく、社会的地位も低かったそうだ。 言論がいかに歴史を動かしたか、その中で毅然とした意見を発表しつづけた石橋湛山と東洋経済新報社。 はじめは軍部に批判的だったメディアがいつのまにか戦争を煽る狂気の拡声器と化してしまった。 湛山の「小日本主義」を日本がとっていたらどんな未来になっていただろうかと想像する。広島平和公園のあるところは今ではきっと広島随一の繁華街になっていただろうし、長崎も今とは違う姿だったろうし、沖縄も米軍基地のあるところはすべて沖縄人の住む町になって発展しただろうし、東京も、他の空襲被害を受けた町も、街並みが全く違っていただろうし、死なずに済んだ優秀な若者たちが多く生きながらえて数々の業績を残しただろう。日中関係も今よりずっと良好だろうし、韓国とも仲良くなっていて、アメリカのしもべのような地位にはなっていなかったのではないか。 本当に日本を破滅に追い込んだ軍部とそれを煽ったメディアの罪は重すぎる。 解説が櫻井よしこなのが唯一違和感が残った。この時からすでに日本の戦争はアメリカに仕向けられたものだったという説を展開している。一体何をこの本で読んだのだろう。学んだのだろう。
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