私はあなたの記憶のなかに

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たご@clan_19672025年11月16日読み終わった再読大好きな短編集。どうしようもない切なさと、やってやれないこともない現実のバランスがやっぱり角田さんはうまい。 結局のところ、私たちはひとりぼっちなのだ。たとえ恋人がいたって家族がいたって、明日もその人がいるとは限らない。そんな危ういもののうえに私たちは生きている。明日いなくなってしまうからといって、けれど今誰かとともにいることがまったく無駄かといえば、きっとそうではない。いつか、何年、何十年たったとき、ふっと思い出せる記憶があるということ。その中に、その人はあり続ける。今はそこにいなかったとしても。

