霊能動物館

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碧衣@aoi-honmimi2025年11月2日読み終わった石の狐、手水舎の亀や竜。普通の人間より神仏の近い動物達。 何故、人は彼らに畏怖を覚え、神に近いものを見るのか。 日本における人間と彼らの一筋縄ではいかない関わり。 日本の生態系の頂点のニホンオオカミとお犬様として親しまれる魔除けと盗難除け、そして憑きもの落としを得意とする大口真神は同一のものとされていた。 最古の動物神が狼で最多の動物神である狐は積極的に人の世界に関わる。狐が人に憑く時、益を成す場合は「神憑り」、悩ませる場合は「狐憑き」と呼ばれた。 巳とも呼ばれる蛇の「み」という音は日本では神酒や神子などの尊いものや、神に近いものに用いられ、神の「か」は春に角が生え変わることから再生する生命の象徴である鹿に通じる。蛇も脱皮することから再生と不死のシンボルにされた。 そのふたつの音を持つ「かみ」は生死を超越した存在を表している可能性がある。 一方、古代では鬼を「モノ」と称した。モノとモノノケは同様の意味になる。 雀は時に化け、祟り、人に害を成し、鶏は鳴くことで太陽神を呼び朝日をもたらす。 昔は黒い烏ではなく、白い白鳥が死の象徴だった。 日本では本来は海神の眷属だった人魚。その肉を食べた八百比丘尼の異質さは人魚を水銀同様の仙薬として考えられていた古代中国から来ているのではないかという考察は面白かった。 なるほどと思うことが多かったけど、情報量が多くてあまり集中して読めてなかったのが勿体なかったな。
