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碧衣
碧衣
@aoi-honmimi
感想が長いことに定評がある
  • 2026年5月26日
    日本百銘菓
    日本百銘菓
    日本全国の銘菓を食べ歩いた著者が「死ぬまでに食べたい」、「定番ジャンルの原点」、「和洋折衷の名品」などの7項目で百名山ならぬ百銘菓を選出した本書。 分かってはいたけど、歴史のある銘菓は饅頭、羊羹、最中、きんつばなど圧倒的に和菓子が多い。こういう時、あんこ嫌いなのが悔やまれる。 そんな中で気になったのは京都の「夏柑糖」、滋賀の「長寿芋」、大分の「雪月花」、長野の「玉だれ杏」、東京の「陸乃宝寿」、北海道の「ハスカップジュエリー」などのあんこが使われていない銘菓だ。あんこが食べられればお菓子の幅が広がるんだけど、どうしても苦手なんだよな~。いつか克服できたらいいな…
  • 2026年5月22日
    砂の器 下
    砂の器 下
    突然死した男が倒れた場所にあった失業保険の統計表、ある女の奇妙な引っ越し、そして新たな死。刑事は伊勢、北陸、大阪で被害者の足取りと犯人の足跡を追う。 彼は保護された安全な場所からなぜ、危険な綱渡りを選んだのか。読み終わった後にそれについて考えてみると作中には書かれてないが、その場所は彼が彼でいる限り決して心から安心できる場所ではなかったのではないか。 だから戦後の混乱に乗じて、新たな自分を獲得した後に己の才能で若くして成功を収めた彼の見えざる思いや、それ故の保身を安易に非難することはできない。同時に彼の犯した罪を擁護することもできない。 作中で印象深かった東京の華やかな世界と北陸の貧しい農村の残酷なまでの対比。それは彼も見たであろう景色であり、どんな思いで彼はそれらを見ていたのだろう。
  • 2026年5月19日
    蜜柑
    蜜柑
    『砂の器』の作中に本作の名前があったので、気になって青空文庫で読んでみた。 曇った冬の日暮れに横須賀発上り二等列車に座る私。 そこに乗り込んできた三等の切符を手にした田舎者と思しき少女。彼女の姿や弁えのなさに腹立ちを覚える私。 平凡な出来事ばかりの世間と娘の「卑俗な現実を人間にしたような面持ち」から「不可解な、下等な、退屈な人生の象徴」と切り捨てる。そんな私に対して何様だこいつと思ったが、私自身がその不可解な、下等な、退屈な人生の一部であることに気づいているが故の嫌悪なのではないかと思った。 そんな少女が窓から放った蜜柑の鮮やかさ、その瞬間の美しさが私の疲労と倦怠をこの時ばかりは忘れさせるというのは偉そうな言い方になるがいい出来だなと感じた。
  • 2026年5月19日
    砂の器 上
    砂の器 上
    蒲田駅の操車場で発見された身元不明の男の遺体。被害者の東北訛りと事件当時、彼と一緒にいた若い男との間に交わされた「カメダ」という謎の言葉を手掛かりに、警察は捜査を進める。 後に身元が判明し、関係者のほとんどから好人物と評された被害者がなぜ、むごい形で殺されたのか。そして、犯人の動機とは。 所変わって、世間を賑わせている若き文化人が結成した「ヌーボー・グループ」のメンバーの一人が起こす不審な動きの理由とは。 言葉のトリックについては素直にそう来るかと感心したが、事件当時の犯人が着ていた服探しや、警視庁の刑事だからといって担当ではない現場に顔パスで入れるのは無理があるのではと思った。しかし、それでも読む手が止まらないのはさすがだ。
  • 2026年5月16日
    ミッテランの帽子
    ミッテランの帽子
    偶然入ったブラッスリー、列車の網棚、公園のベンチに置かれた大統領の帽子は、手にした者たちの人生を大きく変えていく。 1980年代のフランス。上司に逆らえない部長補佐の男や、不倫相手との〈慎重に検討〉する関係を二年続ける女、長いスランプから抜け出せない調香師、保守的なブルジョワの男。彼らがひとつの帽子によって過去との決別や新たな価値観との出会いを得て、その先で思いも寄らぬ人生を送ることとなる大人のおとぎ話。 それは帽子の元の持ち主の影響なのか、それとも帽子をかぶることでなんらかの働きが加わるのか。そんな帽子に執着する者が出てくるのも不思議とは思えないし、なんなら私もかぶってみたい。 ミッテランの帽子が登場人物のみならず作者の人生までをも変えてしまうオチを含めておとぎ話めいている。
  • 2026年5月14日
    目でみることば 2
    目でみることば 2
    カメラや虫眼鏡のレンズはあのレンズ豆が由来? 銀ブラは銀座でブラジルコーヒーを飲むこと? 醍醐味は乳製品を指す仏教用語? 今回も不思議に満ちた言葉の由来と語源の世界を堪能した。別にそれらを知ったところで実生活に役に立つわけではないし、逆に知らなくても生きる上で困ることもない。 だけど、言葉の成り立ちを知ることは純粋に面白い。尚且つ、写真があることで文章を読むだけよりも理解が深まる気がする。 個人的に本書で一番好きだった言葉は「山笑う」。11世紀に活躍した中国の山水画家の画論の一節が由来で、春の木々が芽吹き始めた華やかな山の姿を意味する言葉の美しさは、季語として使われているのも納得できる。
  • 2026年5月13日
    ねじの回転 (光文社古典新訳文庫 Aシ 6-1)
    これは、ある女性の手記を正確に書き移したものである。 イングランドの古い屋敷に暮らす、両親を亡くした幼い兄妹の家庭教師として雇われた「わたし」。 雇い主であり、兄妹の伯父にあたる人物から出された奇妙な条件、前任者の不可解な死、兄マイルズの寄宿学校から届いた手紙と用意された不穏な予兆はやがて形となり「わたし」の前に姿を見せる。 それは過去の亡霊なのか、それとも「わたし」の錯乱した精神が見せる幻なのだろうか。 解説を読まなかったら、この亡霊譚の大げさで大仰に感じる表現が当時のセクシャリティのタブーやイギリス帝国の問題について示唆されているなんて気づくことはなかっただろう。 だけど、結局は作者に煙に巻かれた感じが否めない。
  • 2026年5月8日
    巨匠とマルガリータ
    巨匠とマルガリータ
    イエスの存在を否定した男は魔術師の予言通りに首を撥ねられる。 モスクワ各地で起こる怪事件と、次々と精神病院に送られる人々。 その混乱の中で自身の才能を潰され、死んだように生きる巨匠と彼を愛する女。悪魔に魂を売るほどの女の愛はモスクワ中を巻き込み、やがて二千年の物語の結末へと向かう。 とにかく話はめちゃくちゃだし、ロシア人の名前は覚えづらいのに続きが気になって読み進めてしまった。 「キリストを賛美する作家」として文壇から糾弾された巨匠と、旧ソ連公認の文学史から抹殺された作者。 神ではなく悪魔による救済と文学による社会への報復。作者の経歴を知れば、その凄みを感じられる。
  • 2026年4月30日
    目でみることば
    目でみることば
    「阿漕」には語源となる場所がある?「いたちごっこ」はもともと子供の手遊び?「贔屓」は伝説の生き物!? 言葉の意味は知っていても、その語源にまでは思い至らない。 恥ずかしながら、私は「天王山」「洞ヶ峠」「玉虫色」に地名や色を示す以外の意味があるなんて知らなかった。 語源を知れば、言葉が生まれた当時の様子が見えてくる。 「勝負服」「拍車」「羽目(馬銜)」「埒」と馬に関する言葉が多いことから、当時の人と馬の距離の近さがうかがえる。
  • 2026年4月29日
    19歳 一家四人惨殺犯の告白 (完結版)
    当時19歳の男は、83歳の老婆から4歳の少女を含む一家4人を殺害した罪で死刑判決を受ける。獄中にいる男を取材するジャーナリストが見た男の姿とは──。 男が犯行に至った経緯は完全に自業自得で、動機も身勝手極まりない。遺族が極刑を求めるのは当然と言える。反省と贖罪を示しながらも、死刑に至るまでの態度はそれらと相反する意思が垣間見える。 そんな男と心身に異常をきたすまで深く関わった著者が、男に対して怒りや失望を抱くのも当然だ。 男に投げかけた「もっと酷い境遇で頑張っている人がいる」といった言葉は確かにその通りだし、落ち度のない被害者や遺族の立場を考えるがゆえに出てきた言葉でもあるのだろう。だけど、私はその言葉にいら立ちを感じた。 幼い頃から不仲な両親が発する重苦しい空気が漂う家の中で、父親から暴力を受け、母親も決して味方とは言えない中、新興宗教の神に救いを求めるほどの絶望を感じていた男の内面を無視したもっともらしい断罪に反発を覚えたからだ。 既に刑が執行された男に対してあれこれと言ったところで意味はないけれど、この事件から何か少しでも今後の犯罪抑止につながればいいと思うし、生き残った遺族が穏やかに過ごせることを願っている。
  • 2026年4月25日
    丸刈りにされた女たち
    裏切り者の女性の髪を刈る。それは必要なことだったのか。 ドイツ占領下のフランスでドイツ兵と性的関係だった、または密告などの対独協力を行った女性たちは占領解放後に粛清の一環として民衆の前で髪を切られ丸刈りにされた。 そんな彼女たちに話を聞きたいと考えていた著者だが、まず連絡を取る段階から困難な状態で実際に話を聞けたのもごくわずかだった。 しかし、一人のフランス人女性がドイツ兵と交流を持ったことで国家の反逆者とされ、丸刈りという「暴力」にさらされた後も生き続けた記録は決して無駄なものではない。 一方で自分たちの国を占領する敵兵の協力者となった同胞に対する憤りを持つ人々の思いも理解できる。それでも「祖国の裏切りに対する粛清」という大義名分を盾に残酷になれる人間の怖さや醜さを感じずにはいられない。 いまだに丸刈りにされた女性たちへの偏見は残っていて、それでも声も上げられない彼女たちの存在が歴史から消えてしうことに漠然とした恐れと焦燥感を感じてしまう。
  • 2026年4月22日
    幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)
    巨大な宇宙船に乗った異星人はなぜ地球にやって来て人類を統治し平和をもたらしたのか。後に人類の知能を飛躍的に向上させた一方で、彼らから特定のものを失わせたことにどんな意味があったのか。 オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星の者たちの目的、 それは人類と地球の運命を大きく変えるものとなる──。 SFと哲学。決して得意とは言えない(むしろ苦手寄りな)ジャンルにも関わらず読みやすい文章とミステリー的な要素も相まって、あまり苦労することなく読むことができた。とはいえ、決して単純な物語ではないので全てを理解できたとは到底言えないが。 オーヴァーロードが統治してから人類と地球がたどる運命にはこの星に生きる者として寂しさを感じずにはいられなかった。 広大な宇宙に対してあまりにもちっぽけで無力な人類とその営みに虚しさを覚えて、自分たちの存在の意味なんて答えが出ない問いについて考えたくなってしまうほど。
  • 2026年4月10日
    大鞠家殺人事件
    昭和20年戦時下の大阪船場で化粧品商として富を築いてきた『大鞠百薬館』で起きた連続殺人事件。 神隠しにあった創業者の長男、店に現れた日露戦争時の軍服を着た謎の男、真夜中の廊下で踊る小鬼の目撃談。 事件発生前に起きたこれらの出来事が意味することとは─。 事件の後すぐに空襲で謎解きどころではなくなってしまい事件の結末を心配した。 その後の探偵登場の流れは無理矢理な感じが否めなかったけど、探偵談義の締め括りのある人物の登場には感情が昂ぶった。 国のために自由を許さず国民に命を捧げさせる時代。それ以前から人生の選択を既に決められていた商家の子供たち。幼い頃から店に仕え、半ば飼い殺しにされる丁稚たち。 今を生きる私には想像も出来ない世界を生き延びるために起こしたことが招いた悲劇。実際に多く存在したそれらの人々に思いを馳せる。 余談だが、前回2段組みの本を読み終えて安堵した矢先に本書も2段組み仕様になってることに思わずド肝を抜かれた。しかも、図書館の貸出期間が結構ギリギリに迫っていたものだから尚更。 なんとか当日に読み終えて返却も済ませられたので一安心。
  • 2026年4月7日
    老いたる詐欺師
    老いたる詐欺師
    これまでに数々の詐欺を働いてきたロイはインターネット上で未亡人で資産家のベティと出会い、彼女の資産を奪う算段を打ち出す。 恵まれた容姿と高い知能を持ちながらプライドが高く、癇癪持ちで常に他者を見下し人を陥れることに罪悪感も抱かない。そんなロイの標的にされたベティだが彼女にはある企みがある。 彼女の思惑はあの戦争の時代にまで遡る。 命の危機がつきまとう時代を生き延びようとした男女。 幼い頃に遭った理不尽で過酷な体験も糧にする強靭な精神力と明晰な頭脳で平凡な幸せを手に入れ、多くの人に愛されるベティと目的のためにはリスクを冒すことも厭わず他人どころか自分自身すらも偽ってきたロイ。 仮に戦争がなかったら彼の性格に変化はあったのだろうか。そうでなければ根本的に彼はただの性根が腐ってる奴としか言いようがない。そんな正反対な彼らが辿る結末はある意味妥当な流れだろう。
  • 2026年4月4日
    ジーキル博士とハイド氏
    ジーキル博士とハイド氏
    その男はどこか不快で厭わしい。 ぶつかった少女の顔を平気で踏みつけ、見た者すべてに不快感を抱かせる男を善良な博士はなぜ法定相続人にしたのだろうか。 「有名すぎてかえって読まれない名作」についに手を出した。人間誰しもに備わる二面性を無理やり引き剥がすことの危うさ、引き剥がした側を制御できず、分離した人格に本来の人格が乗っ取られようとする恐怖がまざまざと描かれている。 「人前ではことさら威厳を見せたい自分」に潜む相容れない「我慢のきかぬ快楽思考」を隠して生きてきたと語るジーキル。 読む前は彼を「自分の内なる欲望に苦悩する善人」という印象を持ってた。しかし本書の彼は世間体を気にする見栄っ張りで案外、俗っぽい男に見えた。そんな人格を分けた二人が同じ恐怖によって破滅したのには皮肉に感じる。 「一個の人間とは、多様な、相矛盾する、独立した生き物の棲む社会の縮図」というジーキルの言葉が真実なのだろう。 余談だけど、ジーキルが人格が分裂する薬を飲んだ時の苦しみを「生みの苦しみも死の苦しみもおよばぬ痛苦」と書いてる文言を見た時、比喩表現だと分かりながらも生んだことも死んだこともないくせに何言ってんだと思わず反応してしまった。
  • 2026年4月1日
    夢伝い
    夢伝い
    突然執筆が出来なくなった小説家の夢を伝って出てくるもの。 表題作をはじめとした11編の怖ろしくも不思議な話たち。 自動車事故に遭った恋人の彼女視点で物語が進む「水族」は 作中の違和感に気づいてたのに見抜けなかったのが少し悔しい。 「沈下橋渡ろ」では因果応報、命は命をもって返す容赦も忖度もない神の怖さを感じた。 母親を亡くした少年と恋人を刺した少女が愛の裏側で育てていたものと、それに気付かせたきっかけとなるものを描いた「愛とは見分けがつかない」、感染症禍の中で生まれた新たな価値観とAIの発達を用いたSF的な一作「果てしなき世界の果て」、人生の選択の中で「選ばなかった側」の世界が出現する「母の自画像」 本心や欲望や罪悪感が特異な形になって現れる。人の中に隠されていた身に覚えのあるそれらに対して私たちは恐怖を感じるのだろうか。
  • 2026年3月26日
    よその島
    よその島
    東京からある島に移住して来た老夫婦と知人の元小説家。彼らにはそれぞれ抱えている秘密がある。 老夫婦は同じ出来事に関する秘密を共有している。だけど、その認識や感情には決して分かり合えない隔たりがある。 老夫婦の他に元小説家を入れたのには物語のミスリードを促す以外に役割はあったのだろうか。 この場合に勝ち負けはないのだけど、最終的に「よその島」に行ってしまった側の実質勝ち逃げのように思えてそれをずるく感じてしまった以外の感慨はなかった。
  • 2026年3月23日
    スピリチュアルズ 「わたし」の謎
    スピリチュアル=心理学で無意識に魂を重ねた言葉。 一人ひとりによって異なる複雑で陰影に富む性格(パーソナリティ)は五つの要素(ビックファイブ)に著者が加えた三つの要素(ビックエイト)で説明が出来るとされる。 外向的/内向的、楽観的/悲観的、同調性、共感力、堅実性、経験への開放性、知性、外見 これらの些細な違いが「性格」であり「自分らしさ」と呼ばれるものとされ、社会の中での行動を選択・反映され個性やキャラとして認識される。 高度な知識社会とされる現代では、『高い知能と高い堅実性と精神的に安定した(または高い知性に経験への開放性が低い)』パーソナリティが成功しやすいと言われればそうでしょうねと言わざる負えない。 変えることが難しいとされる自身のパーソナリティに合わないやり方で人生を送ってたらいずれは破綻しかねないのでパーソナリティを受け入れた上で自身に合った人生設計をするのが大切だと説く著者にまぁ、そうだろうなと納得するものの隣の芝生は青いではないけど、悪あがきに無い物ねだりをしてみたくなるのも人の性と言うか… いつも以上にメモを取ったけど、ほとんど役立ってないし、いつも以上にまとめるのに頭を悩ませた。そんなパーソナリティがSNSのいいねだけで簡単に見分けられ、誰かの思惑通りになんの疑問もなく誘導されるてしまうのには薄ら寒さを感じる。
  • 2026年3月19日
    ゼロの焦点改版
    結婚したばかりの年上の夫が出張先の金沢で突然姿を消した。 彼を探す妻は次々と知らない夫の顔を知ることとなり… ずっと読んでみたかった松本清張作品にようやく着手出来て嬉しい♪ 最初は本書が500ページ近くあるのに30ページで夫が失踪してるけど大丈夫か?と思ったけどその心配は杞憂でツッコミどころはありながらも勢いと読み応えで飽きずに読むことが出来た。 作中の部下の家や電車内での喫煙シーンだったり、公的機関のガバガバな個人情報の扱いとかには時代を感じた。 本来は戦後のある立場にいた女性の悲哀を描きたかったと思うのだけど、某人物が回りくどいことをしなければ今度の悲劇は起きなかったのではというのが頭にチラついてしまったのは少し残念だった。 それでも内容自体は面白かったので上下巻で読むのをずっと躊躇していた『砂の器』や他の作品にも手を出したくなった。
  • 2026年3月15日
    こんがり、パン
    こんがり、パン
    食パン、アンパン、ジャムパン、コッペパン、バゲット、サンドイッチ。 パンと人との思い出は十人十色。 深夜に手指と首までもベタベタにして食べる最低から数えた方が早い穂村弘氏のハチミツパンに対して、食欲を刺激する平松洋子氏のパンの耳と四方田犬彦氏のバゲットとピタ。 岸本佐知子氏の学生時代のパン屋さんとの往復書簡の微笑ましさ、それと対照的な開高健氏のパンを通した施すこと、施されることの悲哀。 昭和に子供時代を過ごした人が口を揃えて語るロバのパン屋さん、海外児童文学に出てくる謎のしょうがパン。本書を通して昭和のみならず明治や戦後の事情が垣間見られるのが興味深い。 近年の私はトーストした食パンを何も塗らない状態かバターのみを塗ったものが好きだが、子供の頃は母親がお弁当に作ってくれたいちごジャムやチョコクリームを塗ったサンドイッチが好きだった。 給食にきな粉をまぶした揚げパンが出るのは嬉しかったし、ガーリックトーストは昔も今も大好き。最近はタカキベーカリーのパンにハマっている。
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