世の中への扉 戦争を取材する─子どもたちは何を体験したのか
3件の記録
Sanae@sanaemizushima2026年5月6日読み終わった友人の本棚に並んでいた本。借りてきて読む。 2012年にシリアの内戦取材中に亡くなった山本美香さんが著者。 小学上級から対象の本で、やさしい言葉で書かれており、読みやすいのに内容がとても濃い。 写真は山本さんが撮影されたらしく、とても優しい表情の人々。 「生きていくために、怖いという気持ちを押し殺して、ふだんと変わらない生活をつづける努力をしているのです。)(p107) 戦時下で生きる人々の中で取材しているからこそ出てくる言葉。 個人的な話になるが、わたしにはレバノンで暮らす友人がいる。家族はとっくに国を去っている。彼だけ国に残り活動を続けている。 毎朝起きると、無事かどうか彼のSNSをチェックする。あぁ投稿している、と安心して最近は一日を始めるようになってしまった。 先日、こんな投稿があった。彼は画家だが、知り合いが安全なレバノンではない国で彼の作品をコピーし、無断でグッズにして販売しているのを知ったと。そんな時でも戦時下ではどこにも訴えていく先がない。戦争は命の危険があるとか、食糧に困るとか、そういうことを想像するが何もかも、全てが非常事態におかれるということを痛感する。 彼は盗作に対する怒りや悲しみの投稿は一度限りで、また違う投稿を日々綴っている。それでも非日常の中の日常が続いていく。 「世界はつながっています。心の距離をちぢめるためになにができるか、みなさんも考えてください。(p187) さまざまな戦時下を取材してこられた著者の言葉が響く。 やさしい視点で綴られた言葉が沁みる本だった。つくづく、このような方が早くに亡くなったことが悔やまれる。








