天下の値段 享保のデリバティブ

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おとわ@otty12112025年11月11日読み終わった感想江戸の将軍VS大阪の商人。 スカッとする歴史経済エンタメ小説だった。 すごい半沢直樹というか、小粒の商人群が群れで大きな岩にぶつかっていくという、気持ちよさ。 小粒の米と石と言った方がいいか。 政府の市場介入を絵に描いたような物語。 市場に政府が入ること。 価格操作はどうやって行われるのか? というドライな日本経済の一幕を、一人一人のそこで判断する人たちの心情の機微にフォーカスを当てて描かれる。 すさまじく流れ行くような怒涛の売買取引。 圧力で価格を規制しようとする江戸。 大阪の勢いの良さ、人情、活力が感じられて一貫してそこに生きる商人達は圧倒的にパワフルです。 確かにインターネットがある今では取引の板と言って、売りたい人買いたい人の売値買値がただ並ぶ表示があるけど、対面で取引するとなったらワーギャーワーギャーうるさくなるよなあ。 ただチャートの線が描くのを眺めるのと、その取引所に足を運んで売買取引をして、体で相場の動きを感じるのと。 この時は人情と信頼と情報とで、人と人との繋がりで取引が行われてたんだなあ、とじんわり。 やっぱり今でこそ投資教育は遅れてるけど、日本はもともと投資好きな、マネーゲーム国だったのだな。 私的には心ワクワクする面白小説なのでした!! また門井さんの本を読もう!!