大宇宙の魔女
2件の記録
蒼凍星@ClarideKieferBurgin2025年12月5日私が何をボヤこうと、この本は唯一無二の一冊です。 こんな風に書ける作家さんはなかなかおりません。 以下は、個人の長い戯言でございます。 一週間前から苦戦している。半分読了。 ムーアさんは名前がイニシャルのため、当時のファンから男性作家だと思われていたそう。筆名のC・Lは、キャサリン・ルシールだと知る人は少なかった。 今は情報が流通しているため女流作家さんであると知っていたことと、久しぶりに復刊されて表紙絵が改変された影響で、ターゲットユーザーは「ヤング」層で、内容もファンタジー寄りの物語と刷り込みされてしまい、かえって私は読むのが後回しに。 しかし、SFファンの方たちのコメントでは、なんとなく読んでおいた方が良い印象を受けたので、再び市場から消えてしまう前に購入だけしておいた。 表紙絵はとても大切だ。 読者層を拡大していかなければいけないのは重々承知だがしかし、この本に関してはイメージが少しズレている気がするのは、歳のせいだけではない気がしている。70年代、ムーアさんのシリーズ本を松本零士巨匠のカバーで出しているため、その流れを汲もうと、この選択になったのかと推察される。だからなんか変な感じがしてしまうのかな。もっと自由でいいのに…、と湯船に浸かりながら思う。 ジーン・ウルフ『拷問者の影』だって表紙絵を天野喜孝さんから小畑健さんという方へ刷新し、大成功していたではないですか。私は昭和と平成のセヴェリアンを本棚に並べて、ほーぅ、などと言いながら喜んでいたりして。古参SFファンだって、そんなにアタマこちこちの老害ばかりでもない、と思いたいなあ。詳しくはないですけれど、小畑さんは確か太宰治氏の『人間失格』の表紙絵も描いて、バカ売れしてませんでしたっけ…。 古本屋さんでは、松本巨匠カバーのシリーズのひとつ『異次元の女王』を何度か見かけた。メーテルに似た女性が艶やかに描かれていた。購入しなかったことが今になって非常に悔やまれる。 内容はというと、SFというより幻想文学に近いテイストが時々あり、気持ち的にきゃーきゃーする。今のご時世こんな事を書くと叱られそうだが、大変ダンディな文章で、女性が書かれたとは思えない。わかっていても、そう思えないから凄い。 大好きな作家さんになりかけているが、読むのが難航するのは、主人公ノースウェスト・スミスが活躍する様は読んでいてワクワクしつつも、短編サイズの物語の軸がパターン化して繰り返す。シチュエーションが変化しているだけだから、ちょいとしんどくなる。それが現在地、前半部。全部で五百ページ以上ある。 むしろ同じ段取りで、別の様々な背景パターンをよく描けるなぁ、と。ムーアさんは意図的にそうしたかったのかな…。同じ幾何学の模様を使ってひとつの円を描いているような。本一冊がまるまる異次元迷宮のような。 後半はパターンを脱却するかどうかを楽しみにして読もう。 物語に飽きてくると、複数の本をつまみ並行読みし始め、増殖し、とっ散らかるから困る。 同時並行読みは三冊まで。大人はワイン二本まで。酒と女は二合(二号)まで。 恐るべし、ショーワ歌謡。