
碧の書架
@Vimy
2026年3月4日

読み終わった
歴史フィクション@碧の書架
「戊辰戦争の時、仙台藩って何してたの?」
という私の疑問へのアンサー本。
フィクションですが、書き方や参考文献から、登場人物や発生した戦いの日時、原因などは、かなりノンフィクションに近いフィクションだと思います。
その為、感動的情緒的な盛り上がりはほぼ無い、と私は感じました。淡々と、仙台藩や奥羽越列藩同盟が後手に回り失策を重ね負け続けていく様子が書かれています。読んでいてわくわくするような楽しさは無く、関ヶ原から大阪の陣の際の豊臣方や、WW2のビルマ戦線や南方戦線の本を読んでいる時と同じような気持ちになりました。しかし、私はその敗者側の歴史を知りたかったのです。ぴったりの本でした。
本作は主人公を仙台藩士若生文十郎景祐として、徹底的に仙台藩目線で仙台藩のみを書いています。歴史上関わりのあった会津藩や米沢藩も登場しますが、それらが詳しく書かれることはなく、白河城や会津若松城の戦いですらあっさりと書かれるのみです。新撰組や榎本艦隊も、さくっと出て来るのみ。一般的なフィクションであれば、主人公をそれらと絡ませて活躍させる所ではないかと思うのですが、本作にはそういった創作がありません。
…これは、全く面白くないって感想の方も多くいるのでは?と心配になる程です。
でもきっと、作者の熊谷達也さんは、あえてこう書きたかったのではないかと私は思います。滅びの美学とかじゃなく。
読んでいて何度もやるせなさを感じたし、後手に回る不利、失策は重ねると取り返しが付かないのだという怖さも感じます。あぁ、ここでこうなってれば…という箇所がいくつもあります。いくつもある時点で勝てないよなぁ、と思いつつも…w
戊辰戦争は奥羽越側の本ばかり読んできましたが、薩長側の本も読みたくなりました。官軍、以外の大義はあったのだろうか。列強に追い付くためには、国内を早急にひとつにまとめたいという事なんだろうか。歴史はそもそも知ろうとしてもキリがないものですが、特に幕末は深いですね…。

