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@bunkobonsuki
2026年3月6日

スタンフォード大学の人気教授が明かす 教養としての権力
ジェフリー・フェファー,
櫻井祐子
権力とはどのようなものか、知りたくて読んでみた。
タイトルにある通り、本書はスタンフォード大学の教授である著者が権力に関する講義の内容をまとめた本である。
本書はその内容から「気が滅入る」本だといえよう。学校教育や日々の家庭で培ってきた倫理観と真っ向から対立するからだ。本文序盤でも触れられているが、本の内容に嫌悪を覚える受講生も多いという。
それは著者も意識しているのか、嫌悪感を緩和するよう内容について説明をするくだりがある。単に強権的な書き振りをすれば、想定する読者層(権力動機が強い人、権力に抑圧されている人)には届かないから、多少なりとも工夫が必要なのだ。この時点で権力の実戦は始まっているんだなと思った。
とはいえ、受講生たちの下剋上エピソードが随所に挟まれるため、純粋にエンタメとして楽しめる。下剋上エピソードを読んだ後に解説として著者の説明を読むのが本の内容を一番受け入れやすいのではないか。
この本を読むと「憎まれっ子世に憚る」に新解釈が生まれる。世に憚るから憎まれるのだという逆順の説である。
最後に、読後の疑問を呈したい。
「仮に権力を手にしたとして、本書を学んだ人間が下剋上してきたらどうするのか」。
本書は紙幅の多くを下から上へ行く権力の説明に割いているが、権力を手にした後についてはあまり語られない。また、同じ講義を学んだ者同士のミラーマッチはどうなるのか、そこも知りたかった。
