考えたい葦
@the-well-read-reed
2026年2月9日
はつ恋
ツルゲーネフ,
神西清
ラストが面白すぎた。
語り手が自分の初恋について手記にまとめたものを読むという形式の物語。
前半ではヒロインに陶酔し、理想化し、神聖視する主人公の様子がありありと表現され、ヒロインがファム・ファタールのように感ぜられる。
後半では理想化したヒロインが崩れていく様子、父親の信頼の失墜、そしてそれらを理解しえない子供である語り手、その三者三様な心の機微はとても丁寧で示唆的である。
ラストの老婆の話ではこれら三者が束縛からの解放とそれに対する恐れを端的に表現しており、評価が後半でガラリと変わった。
このタイトルからは想像のつかない物語であるがこの作品はたしかに『はつ恋』としか形容できないだろう。




