
しんどうこころ
@and_gt_pf
2026年3月7日

テレーズ・ラカン〈下〉 (1968年)
エミール・ゾラ,
小林正
読み終わった
閉じ込められた世界。自分らしくない狭い世界。
そこで生きるテレーズと一人の人物との出会いは、外の世界への扉となり、抑圧されたエネルギーを爆発させる。それは激しい肉欲と、それを妨害するものへの醜い破壊衝動を生む。
懺悔や後悔をすることはなくとも、湧き上がる非難の念は消えない。それは様々な形に姿を変え、ふたりの日々を脅かす。
愛欲と怠惰への陶酔を願った陰惨な利己心からなる意識の表層は、無意識の奥に潜む罪への呵責に永遠に蝕まれていくのだ。
わたしの中で初のゾラ作品。
読書難度は低く、非常に読みやすい。ドラマチックな展開もまるで昼ドラを見ているかのような気分だ。
比較的シンプルに描かれる中に垣間見える凄惨な描写が、この愛憎劇の邪悪さを際立たせる。


