

しんどうこころ
@and_gt_pf
岩波の名作を飲み干したい
- 2026年1月1日
- 2025年12月31日
復活 上トルストイ,藤沼貴読み終わったロシア文学に興味を持ったきっかけの本。中村白葉の訳で。 当時著者本人はロシア正教会と決裂しており、これを文学で表現したものである。 トルストイの思考によると、キリストは •教義を説いたのではない •儀式を命じたのでもない •生き方(非暴力・愛・誠実)を示した だから •祈りを「やれ」と命じるロシア正教会は偽 •告解で罪が消えるという発想も偽 •国家を祝福する、国家と結託したような宗教は偽 と考えた。 彼にとっての信仰は 「正しく祈ること」ではなく「正しく生きようとすること」。これをネフリュードフという貴族を通じて描いた。 決してカチューシャとのロマンスを描いたものではない。 後半に出てくる、 ・慈善道楽とその習慣化 ・悪徳の系統的蔓延 といったワードにこの作品の核心が集約されているのではなかろうか。 フランス文化に憧れ、気取ってフランス語を用いる貴族や、当時の封建制度に対する貴族、農民の考え方などが濃密に描写されており、ロシアの歴史を知る上でも価値のある読書体験だった。 - 2025年12月31日
兎の島エルビラ・ナバロ,宮崎真紀読んでる短編集なので気が向いた時に牛歩で読んでいる。ホラーかどうかはわからないが、生理的な不快感を誘う何かがある。 スパニッシュホラーとの売り出し。装丁は大変美しいが長期保管でべとつかないか少々心配。 - 2025年12月30日
美しい夏パヴェーゼ,河島英昭読み終わった少ない言葉数と空白の多い文体が印象的で、その沈黙自体に美しさがある。 処女喪失に伴う罪の意識、行き場のない切なさ、青年期の恋が孕む危うさが、感情を説明することなく描かれる。 それらは道徳や劇的展開へ回収されず、 未成熟な感情として静かに残される。 また、女性の心理描写の巧さにも感心した。 行動や沈黙を通して心情を浮かび上がらせる手つきは、男性作家にありがちな観念化を避けている。 - 2025年12月27日
罪と罰 上ドストエフスキー,F.M.,江川卓読み終わった初のドストエフスキー。流石に世に名の響く名作、濃い。難解なイメージのあるドストエフスキーだったが比較的素直に読めた。 江川卓ではなく、中村白葉訳にて読了。 - 2025年11月28日
- 2025年11月17日
武士道新渡戸稲造,矢内原忠雄読み終わった内容は魅力的だが古い文体のためなかなかに読みづらい。比較的序盤で語られる神道とキリスト教の考え方の違いに目から鱗。原罪と性善説。 武士道は、 ・封建制度によって育まれ ・日本の風土によって色づけられた しかしそれは ・体制維持のための方便でも ・風土が自動的に生んだ精神でもない 武士道とは、 武士階級が、自らの生き方を律するために内面化した普遍的な倫理であり、だからこそ新渡戸はそれを「日本固有の道徳」ではなく、キリスト教的倫理とも比較可能な「世界に通じる道徳体系」として西洋に提示した。 - 2025年11月7日
津軽太宰治読み終わった人間失格など、太宰のドロドロとしたメインどころをいくつか読んでからここにいくと大変沁みる。 わたしはさらにこれを青森の津軽鉄道に揺られながら読み、時代は違えど、太宰のいう青森は旅人にやさしくない少し物悲しい街という表現を感じることができた。 遮るもののなにもない、果てしない平野の中にまさに「浮かんでいる」岩木山が悠久を思わせる荘厳な美しさ。 「ね、なぜ旅に出るの?」「苦しいからさ」 1944年(昭和19年、太宰34歳) 弘前、青森、蟹田、今別、三厩(みんまや)、竜飛岬、西海岸、五所川原、金木、小泊 - 2025年9月1日
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