
jaguchi
@jaguchi87
2026年3月7日

恥辱
J.M.クッツェー
読み終わった
最近どんどん神経質になっていて、読む前に排除してしまう本がとても多い。この小説も放送大学の課題でなければあらすじの時点で拒否しただろうし、読んだとしても開始30ページくらいで脱落していたと思う。
52歳の大学教授が教え子の学生を口説くのにシェイクスピアを引用している。ああ、無理だなぁ。ぱたんと本を閉じる。おしまい。
でも今回は課題の本だから、私の脳内の検閲官をなだめすかして読み進める。
冒頭では「日本が舞台でも違和感ないな」と思ったけど、だんだんと実際の舞台である南アフリカという国の歴史のいびつさが見え隠れし、焦点があたり、とんでもないことになっていく。
なぜこうなる? と何度も思う。歪みの大きさにおののく。
辞職に追いこまれた大学教授もまた彼自身の道を探っていく。開始30ページで脱落していたら分からなかったことが描かれていた。私が「彼」を好きになれなくても、彼の人生は続いていく。当たり前だけれど。
・まったくもって、楽な標的だったろう。彼は思う。卑しくも胸のすく行為なのだろう、黒人の匂いを嗅いだだけで犬が唸るように躾けられている国では。p.146




