
いちのべ
@ichinobe3
2026年3月8日

笑う漱石
夏目漱石
読み終わった
全句集に手を出すと挫折しがちなので、誰かの選句したものを読むのも良いものだなと実感。
まえがきで先行本の『笑う子規』に、
> 睾丸をのせて重たき団扇哉
という句が収録されていると知り、そちらも俄然読みたくなった。
以下、収録されている漱石の句で好きだったもの
> ちとやすめ張子の虎も春の雨(明治28年)
しとしと雨の降る日、揺れる張子の虎を眺めながら漱石が「ちとやすめ」と考えている、という光景が微笑ましく感じてしまう。
> 菜の花の中に糞ひる飛脚哉(明治29年)
菜の花!糞!飛脚!という取り合わせにやられた。百回生まれ変わっても思いつかないよそんなの。
> 菫ほどな小さき人に生まれたし(明治30年)
誰が詠んだか知らなくても愛らしい句だし、漱石が詠んだと思うと更に愛らしく感じてしまう。
> 曼珠沙華あつけらかんと道の端(明治29年)
自分の中で曼珠沙華と死のイメージが密接だったので、「あつけらかん」という表現が新鮮に響いたし、確かに先入観を除けば鮮やかにパァッと咲く姿はそうも思えるなと。
> 枯野原汽車に化けたる狸あり(明治29年)
童話めいていて好き。

