しろくま "岐路に立つドイツの「過去の克..." 2026年3月7日

岐路に立つドイツの「過去の克服」
岐路に立つドイツの「過去の克服」
マイケル・ロスバーグ,
サラー・エル・ブルベイシ,
ジェイソン・オーバーマン,
A・ダーク・モーゼス,
三牧聖子,
板橋拓己,
武藤一羊,
浅田進史,
香月恵里
2023年10月以降の「イスラエル・パレスチナ紛争」を踏まえて、ドイツの「過去の克服」を問うことを目的とした論集。 以下、印象に残った点を箇条書き。 第一章 ・ベルンハルト・シュリンク『朗読者』の執筆や、W・G・ゼーバルト「空襲と文学」講義などがなされた時代状況の整理。 第二章 ・湾岸戦争が現在のドイツとイスラエルの関係に及ぼした影響。 ・メルケルがイスラエルへのドイツの責任を「Staatsräson(国家理性・国是)」と結び付けた過程。 第三章 ・「歴史家論争1.0」と「歴史家論争2.0」の比較と整理。 ・(「歴史家論争1.0」と「歴史家論争2.0」では)右派はホロコーストの比較を奨励する立場から比較の正統性を否定する立場に転じたと考えられるものの、ドイツの責任を最小化しようとする点では一貫していること。 第五章 ・ポストコロニアリズムと反ユダヤ主義を結びつける論調が2020年代のドイツでは盛んなこと。 ・ポストコロニアリズムを批判する側の論理  批判者は、ポストコロニアル研究の以下の➀〜③を批判。 ➀ホロコーストと他のジェノサイドとの差異をなくし、それらを均一化している点 ➁反ユダヤ主義を他の人種主義の派生物とみなし、反ユダヤ主義の特殊性を無視することで、ホロコーストとその他の大規模犯罪との差異を無くしている点 ③イスラエルを批判する際に、イスラエルを「悪魔化」し、「イスラム主義者」の反ユダヤ主義やイスラエル敵視についてはテーマ化しない「二重基準」を適用し、イスラエルのパレスチナ占領を「脱正統化」している点
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