
さがわ
@sagawanity
1900年1月1日

サラダ記念日
俵万智
読み終わった
※削除済のnoteより転記
「サラダ記念日」という短歌について、ネットの通話でレスバをした。
日本で一番知られている短歌だと思う、みんなが考えるアレである。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
ぼくが会話の拍子に
「こんなん小学生だろうと中学生だろうと内容は理解できるし、
どっちが内容を読み取っても抱く感想は大して変わらないんだから小学校の教科書に載せるレベルで十分だろ」
「てか教科書に掲載されて現代短歌の代表として
日本一知られている短歌が本当にこんなんでいいんか?
あまりに感情も内容も薄いし、
もっと"面白い"短歌ってやつが現代にはいくらでもあるんじゃないか?」
と言い放ち、レスバを発生させた。
※真面目に後から考えたが
・小学生でも内容は理解できる(⇒文面から人物やシチュエーションが想定できる)
・小学生でも中学生でも、読み取ったシチュエーションから抱く感想には大差ない
・もっと"面白い"短歌ってやつが現代にはいくらでもあるはず
という、ぼくのこの歌に対する考え自体には変わりない。
ただ、「上記の理由で小学校の教科書に掲載するレベルでいい」という主張は
完全に間違っていたなと思っていて、
・この短歌集が、現代短歌への分岐点としてバカ売れした歴史がある
・”現代的な短歌"を紹介するには、その前に古くから詠まれてきた長い歴史を持つ"短歌"について学ぶ必要があり
古典要素に足をつっこむので、小学生の学習要領ではない
・短歌に対して"もっと面白い"を求めると、"面白い"を感じさせる対象が限定的になりそう。
「恋愛感情(好きな人)」「おいしい料理を作る」「幸せを感じる」というのは、
それなりの人に「いい歌ですね」と思ってもらえる最大公約数を感じる。
といった点で
「"この歌"が、"現代短歌代表"として"中学生向け教科書"に掲載されている」
というのは全て正しいことだと思う。
改めて強い言葉で否定して不要なレスバを発生させすみませんでした。
……という流れがあり
(なんも流れじゃないけど)
ぼくは翌日に反省しながら「サラダ記念日」をkindleで購入して1冊ペラペラ読み通した。
率直な第一感は
「あまりに色ボケすぎるだろ…」
半分ぐらいは好きな男とか恋愛にまつわる歌。恋愛好きすぎだろ。
こいつ全部恋の味してるって。
でも後書きに「朝に彼がつかったハミガキ粉のチューブのへこみについての歌があったが、あれは実際には父親の使った歯磨き粉からイメージを膨らませて作ったと聞いている。
彼女の恋の歌は全部とは言わないが、妄想も含まれているだろう」と
大学時代の先生からバラされてて笑った。
あとは、"ドラえもん"というシチュエーションを介さない短歌集をはじめてちゃんと読んだこともあり
「なんでもない日常の風景を歌にしてることが多いんだけど、なんでもない日常を切り取って歌にしようと思える、その日常的な視点がすごいな」
と思った。
この本を見ていると、自分が生きている中にも短歌として切り取れる瞬間は無数にあるんだなと感じさせられる。
自分自身が短歌を作りたいとまでは思ってないけど。
あとは後書きとかネットに落ちてる文章とか見てると
「そもそも、女性が等身大の姿・視点で共感してもらいやすい歌集として爆発的に売れた」
っぽい。まあそれなら恋愛だし日常の話なのも当然か。
「こんなん普通すぎるだろ」とサラダ記念日に対して思った僕の感想はある意味正しくて
あえて普通のことを普通の読みやすい文章で表したこと、が当時の時代的な背景も考慮した
この本のよさだったんだろうな。
と、色々思いをはせた。
後は何点か目にとまった歌をちょびちょび紹介して終わる。
『落ちてきた 雨を見上げて そのままの 形でふいに、唇が欲し』
基本的に恋愛シリーズは共感しないんだけど、
これだけは「すご!!いや、キモ!!!雨を見上げた拍子にふいに唇が欲しくなるのキモ!!!!
でも最後の7で『、唇が欲し』で止まるインパクトすご!!!でもキモ!!!」ってなった。
キモインパクトセンスがすごくて褒めたくなった。
『月曜の朝の ネクタイ選びおる 磁性材料 研究所長』
父親についての歌集の1歌なんだけど
たまたま父親が「磁性材料 研究所長」だったせいで7.7部分の語感がよすぎるのズルだろ。
声に出したときのリズム感すごいぞ、「磁性材料 研究所長」。
『「人生はドラマチックなほうがいい」ドラマチックな脇役となる』
5.7.5のフリ部分に対して、7.7の返しが美しくて好き。
「ドラマチックな脇役になる」は逆張りカウンターなんだけど、
真っ向からの逆張りじゃなくて美しいカウンター。
『思い出はミックスベジタブルのよう けれど解凍してはいけない』
よく分からんけど深いね。
絶妙なチョイスだし、解釈の余地がありそうなオーラをぶつけられてる。
なんかズルいな。ミックスベジタブル。
なんかこっちの解釈にゆだねられて、ただ鮮やかなだけじゃない思い出っぽさの解釈を
こちらにゆだねられてるもんな。