
Moonflower
@Moonflower0226
2026年3月9日
精神の危機 他十五篇
ポール・ヴァレリー,
恒川邦夫
読み終わった
「ペタン元帥頌」
「独裁という観念」
「独裁について」
「ヴォルテール」
【感想】
一編ずつ、じっくりと読んだ。それもこれも、ヴァレリーの「抽象化力」の異常なまでの高さゆえ。一文に込められた情報量といい、明晰に語られるロジックと華麗なレトリックといい、密度が違うのだ。彼の思考の速さについていくには、こちらが歩みを遅くする他ない。
それにしても、本書に集められた「精神」に関する論考・講演の、何とアクチュアルなことか。現代の世界情勢にそのまま通じるものが多いのは、今が「大戦前夜」だからなのか、あるいは人の世の変わらなさゆえなのか。何にせよ、いま読めてよかった。本書のひとつ前に読んでいた、オルテガ『大衆の反逆』とあわせて、たびたび手にすることになりそうだ。