サヤ "人でなしの櫻" 2025年3月15日

サヤ
サヤ
@sayaemon
2025年3月15日
人でなしの櫻
人でなしの櫻
遠田潤子
芸術家・天才の感性を、人間の業と分かりやすく結びつけて書いていた。気持ち悪い、でも見ちゃう、で最後まで読ませる筆力が凄い。でもかなり人を選ぶ。 個人的には、天才本人がこんなに分かりやすく「描く理由や動機」を自覚するかな?と違和感もあった。読者を納得させなきゃいけないので仕方がないのだけど… 主人公が両親妻への愛憎をしつこいほど語るたび、これって天才というより、事実と作品を結び付ける評論家や研究家の目線だよな?と感じてしまった。天才の衝動を、我々一般人にも噛み砕けるレベルの情報まで落とした感。それって叔父(凡人)の小説と何が違うの?とも… 蓮子に、物語のための仕掛け以上の魅力を感じきれなかったのも大きかったかも。去り際の都合が良すぎるので尚のこと… 捏造されたファムファタルが、主人公を失ってどんな風に変質していくのか、崩れていくのか、腐れていくのか、彼女の九相図にして、一個の人間としての生まれ直しこそ、もっと読ませてほしかった。
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