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サヤ
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@sayaemon
静かで綺麗なものが好きです
  • 2025年8月23日
    星と伝説
    星と伝説
    星座に関する神話や逸話を、子供にも分かりやすく、生き生きと描いた読み物集 底本が1961年と古いため、その後神話の解釈や研究が進み、訂正が必要な部分もあるかもしれない けれど、終始柔らかく簡単な言葉を用いて、ギリシャや中国、南洋といった異国を身近に感じさせてくれるという点で、図鑑や解説書とはまた違った『星の入り口』になってくれるだろう、素敵な本だった
  • 2025年8月22日
    ムーミン谷の彗星
    ムーミン谷の彗星
    ムーミンシリーズ再読2冊目 なかなかシビアな世界観&ハラハラする冒険が続くけれど、これが実質第2作目で、この後にあの豊かで大らかなムーミン生活が繰り広げられるのだと知って納得(スナフキンやスノーク、アニメのフローレンと初めて出会うのも今作) そもそも、自然の荒々しさを正しく恐れ、賢く立ち回ることというのもムーミン作品の魅力のひとつなのだけど、さすがに『彗星の大接近』ともなると、あまりにも天災のスケールが大きすぎ、冗談じゃなく作品全体に滅亡の気配が漂っている 海は干上がり、浜は腐り、草は焼け、森は蝗に食い尽くされる それでもムーミンは恋をし、スナフキンはハーモニカを吹き、スニフは子猫を思い、ムーミンママは息子のためにケーキを焼く そうしたありのままの過ごし方を読んでいるうちに、なんだかこちらが励まされているような気がしてくる 恐ろしい目に合っても、各々の生き方を当たり前に貫き、他人のそれも許す そんな勇気ある頑なさに心打たれた一冊
  • 2025年8月21日
    たのしいムーミン一家
    たのしいムーミン一家
    『トーベとムーミン展』へ行くために再読 シリーズ初読は中学校の図書室で、よりによって『ムーミン谷の彗星』から手に取ったため(だって彗星なんて絶対に面白そうだし…)結果、「童話にしてはハードな冒険するな!?」と少し怯えてしまい、本腰を入れて全巻読み通したのはもう少し後になってからだった 結局のところ、偶然にも作品の完成順(洪水→彗星→たのしい)に沿った読み方をしていたわけだけれども、もしこれから初めてムーミン小説を読む方がいるなら、やっぱりこの『たのしいムーミン一家』から手に取ることをオススメしたい キャラクターひとりひとりの個性が光り、島の自然は美しく、冒険も盛り沢山! ムーミンはアニメでしか知らない…という方もきっと楽しく読めるはず(ただ今作はミイ未登場なのでそこだけご注意) 好きなシーンは沢山あるけれど、個人的に心躍るのは島の嵐と、アニメでも有名なスナフキンの旅立ち、そして8月のパーティー 特にスナフキンの旅立ちは、文章だからこそ味わえる台詞の余韻や、繊細な描写が大変美しい一幕で、幾度も読み返してしまう 相手の孤独を尊重することが、どんなに愛情深い振る舞いであるかを、寂しさを抱えながらも友の幸せを願うムーミンから教わった
  • 2025年8月21日
    島暮らしの記録
    島暮らしの記録
    トーベとムーミン展にて購入 ずっと知りたかったトーベの島暮らしについて、彼女自身の言葉で読むことができて大大大満足…! 私はトーベやムーミン作品に対して、温もりや優しさよりも、孤独と静けさをより強く感じたし、見出したがっているタイプの読者なので、作中の氷解けの項でトーベとトゥーティが言葉すくなに、ひとりきりでいるかのように振る舞いながら、氷解けの瞬間を待つシーンがとても好きだった 『だれともかかわらず、部外者を決め込み、なんにしろ良心の呵責はいっさい感じない。なぜかはわからないが、なにもかもが単純になり、ただしあわせだと感じるに任せる。』 (P59)
    島暮らしの記録
  • 2025年8月17日
    アンソロジー 料理をつくる人
    アンソロジー 料理をつくる人
    『食』がテーマの小説やエッセイもいいけど、なんならレシピの文章を読み上げるほうが好きだし、夢中になれるという妙な癖がある それはつまり私の中では、食べることではなく、作ることに、より重きを置いているんだな…と、このアンソロジーを読んで再確認した どの作品も面白かったけれど、『作り、供すること』が命に肉薄する千早茜、織守きょうや氏の2作が特に心に残った
  • 2025年8月16日
    かぜのてのひら
    歌集を読むようになってからしばらく経つのに、俵万智の作品を手に取ったのは初めて これまで教科書や副読本でしか触れたことがなかったので、こんなにもご本人の生活や恋愛観に肉薄した歌を作られるとは知らなかった… 二十代の女性に訪れる様々な転機に対する揺らぎ、生活に対する鮮やかな視点、恋人や家族に注がれる愛情深い眼差しを端々に感じる歌集だった
  • 2025年8月15日
    芝生の復讐
    芝生の復讐
    『西瓜糖の日々』に続いてブローティガンを読む 長さも題材も様々な短編集が沢山詰まった一冊 ブローティガンの自伝的要素が強く、アメリカという国について何度も思いを馳せた 話の筋を追うというよりは、時折ピカっと光る冴えた一文、美しい描写に目を見張る、そんな読書体験ができる一冊
  • 2025年8月15日
    三つ星の頃
    三つ星の頃
    この夏は、大佛次郎記念館に野尻抱影の展示を観に行けたことがとても良い思い出になった 『三つ星の頃』は、星の文人として知られる抱影先生の自伝要素も濃い短編小説集。記念館の展示で先生の来歴や人となりに触れたからこそ、これらの作品をしみじみと味わえたのが良かった どの作品も、自然描写が大変美しい 素朴な登場人物達にも、先生のお人柄を感じた
  • 2025年8月15日
    秘密の花園
    秘密の花園
    言わずもがなの児童文学の大名作、子供の頃に読んだきりで細かい筋を忘れかけていたので再読 大人になってから読むと、メリーやコリンの個性だけでなく、彼らを取り巻く大人達のリアルさにより目がいく 傷付き逃避する大人、愛情細やかな大人、自分勝手な大人、事勿れ主義な大人…どこかしらが自分自身とも重なるが故に、胸をチクっと刺されたり、仕方がないよね、と諦めに似た共感を覚えたりするのが新鮮だった
  • 2025年8月15日
    野川
    野川
    長野作品の中でも特別リアルと地続き且つ、メッセージ性が明確な一冊 特に初期作品に顕著な幻想的で耽美な世界観や、こだわりの美意識を映したキャラクターを求めて本書を手に取ると、肌触りの違いに少し驚くかもしれない それでも、少年達の各々の羽ばたきを見守る視線は穏やかで優しく、教師の語りという形で届けられる若者へのメッセージは含蓄が富んでいる (そもそも長野作品に、こうもシンプルで明確な『含蓄』を読み取ること自体衝撃的だったのだけど、読了後に本作が読書感想文コンクールの課題図書だったことを知り、思わず膝を打った)
  • 2025年8月4日
    野尻抱影
    野尻抱影
    月も星も好きだし、よく仰ぎ見るけれど、しっかり学んだり調べたりはしてこなかった自分の背を、ぽんと押してくれた野尻抱影の随筆集 美しくロマンチックな語りで、星々の悠久の魅力、生活に根付いた親しさ、世界中で異なる星の名前の奥深さを教えてくれる 本著を含むSTANDARD BOOKSは、科学と文学を繋ぐ随筆シリーズ この本と出会ったおかげで、星空に覚える「きれい」というシンプルな感動に、知識という陰影が加わりました
  • 2025年8月4日
    夏の花
    夏の花
    戦後80年、個人的な課題図書として読了 遺してくださった記憶や記録に対して、我々の世代ができるのは、そこから読みとる、感じとる努力を怠らないこと そしてたゆまず考え続けること
  • 2025年8月3日
    恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。
    恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。
    タイトル通り、全国の「恋人達の聖地」を舞台にした短編アンソロジー 数多の恋人たちが幸せな恋の成就や永遠を願う場所だけれど、主人公達はもっとずっと様々で複雑な事情を抱えて現地へ赴く場合が多い 恋だけに終わらず、その後の人生や別れなども内包した懐の深いアンソロジーだった 原田マハ、三浦しをん作が特に好き
  • 2025年7月26日
    フィンランド光の旅 北欧建築探訪
    『火山のふもとで』を読んだ時、スウェーデンの建築家、アスプルンドが手がけた『森の墓地』が紹介されていたのがきっかけで、北欧建築に興味を持つようになった その流れで、今度はフィンランドの建築家、レイヴィスカの作品に文字通り一目惚れ…垂直性の光、浮遊する照明、建築と音楽へのシンパシーに惹かれる中で、もっと北欧の建築、特に光の美しさについて知りたいと思い、ぴったりなテーマの本書を手に取った 建築学的な難しい解説ではなく、光をどのように扱っているか、それがどれほど美しいかに言葉をつくしてくれているのがいい 写真がやや小さいことだけが難点 でも主要な美しい建物をまとめて知ることができて満足
  • 2025年7月18日
    きみは嘘つき
    きみは嘘つき
    『嘘』をテーマにしたアンソロジー。 卑小な嘘、未来を切り開くための嘘、相手を守るための嘘、様々な理由で登場する『嘘』の、そのバラエティ豊かさに、少しドキッとする それだけ身近だということだから ぞくぞくした『恋の値段(寺地はるな)』、後半の種明かし良かった『ランドクルーザー田園を行く(額賀澪)』が好きだった
  • 2025年7月17日
    優雅なのかどうか、わからない
    『火山のふもとで』が素敵だったので手に取った。 舞台が現代且つ、扱う内容も現実的(中年以降の家族関係、仕事、恋愛、介護)なので、感情移入しやすい…かというと然程でもなかったのは、主人公をはじめとする登場人物達が皆社会的、経済的に恵まれており、「理想の暮らしがしたい」の「理想」がとても高いことにあると思う。 高い理想=悪、とするつもりはないけれど、「僕の暮らしを優雅と呼ばないでくれ」は、さすがに無茶があるな…と感じた。 あらゆる理由で日々精神を擦り減らし、生活を切り詰め、最低限の暮らしの現状維持に努めている読者がこれを読んだ時、主人公の孤独に心から寄り添うのは難しい。 「精神的余裕のある(これは社会や家庭のしがらみから離れ、自己中心的に振る舞える、と同義)中高年ファンタジー」として読むならアリかも。 だとしても、ヒロインの魅力がいまいち分からずに終わってしまった感。
  • 2025年7月17日
    クローディアの秘密
    クローディアの秘密
    大貫妙子の「メトロポリタン美術館」は聴いたことがあっても、「夜の博物館、天使の像、ヴァイオリン&トランペットのケース」といったモチーフが、この『クローディアの秘密』からとられているとは知らなかった…! 「家出をした姉弟が博物館に隠れ住む」というあらすじだけでも勿論わくわくするけれど、物語の真の魅力は設定や道具立てではなく、クローディアとジェイミー2人の愛すべき個性と人間性にある。 お互いの長所短所を上手に(そして勿論喧嘩もしながら)補い合って冒険を続ける中で、クローディアが出会う「天使の像」。 大人達が美術的、学術的価値について論じる中で、クローディアだけは像から全く別の学びや気付きを得て、大人になろうとしていることを見抜く夫人。 この辺りが描かれる物語終盤を特に楽しく読んだ ラスト、夫人が「知識は集めるばかりではなく、からだで感じなさい」と教えてくれるシーン。素晴らしい言葉だと感動したし、作者が化学教師であると知って納得した。 知的好奇心が旺盛な子供にこそぜひ読んでほしい一冊。
  • 2025年6月15日
    水のかたち
    水のかたち
  • 2025年6月15日
    ナイン・ストーリーズ
    ナイン・ストーリーズ
    いつか読もう、ちゃんと読もうと思いながら手を出せずにいた海外文学にチャレンジするのが今年の読書目標のひとつ 攻殻機動隊SACが大好きなので、まずはサリンジャーから 「ライ麦〜」も勿論買ったけれど、そういえば小川洋子&クラフト・エヴィング商會の「注文の多い注文書」にもバナナフィッシュの耳石の話があったことを思い出し、先にこちらを読んでみた 当たり前なんだけれど、おもしろかった…! 時代背景や当時の風俗を理解していないと味わいきれない描写があったり、登場人物の心理を理解しづらい部分もあるけれど、それでも最後まで読ませてしまう巧みな文章とテンポの良い会話、まさかの展開をみせる構成の妙。 そして根底に愛を感じる話が多かったのが、すこし意外だった(なぜかもっと皮肉家で冷えた話を書く作家という勝手なイメージがあった) 特に子供の描写がすばらしい これは本当に彼らを尊敬し、対等な眼差しで観察していなければ書けない文章だと思った 続いて本丸、ライ麦〜へ挑みます
  • 2025年6月14日
    本の雑誌505号2025年7月号
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