

サヤ
@sayaemon
静かで綺麗なものが好きです
- 2025年5月18日銀のくじゃく安房直子,高橋和枝読み終わった憧れから、孤独から、様々な理由で異界へと誘われる物語の数々。 しかもその異界はどれも現実と地続きで、抗いがたい魅力と不気味さに満ちている。 童話とあるけれど、大人になり、孤独や諦めの味を知ってから読む方が、異界の引力をより強く感じられる気がした 特に「銀のくじゃく」、「青い糸」が抜群に美しかった… 青い舶来物の毛糸でするあやとり、ぴんと張った糸にとまる白い小鳥の歌…
- 2025年5月16日
- 2025年5月16日
- 2025年5月15日眠りの庭(1)千早茜読み終わった美術家を惹きつけるファム・ファタル小説は、時として女性本人の人格や意思が抜け落ちたまま描写されたり、欲望の鏡扱いされがちだけれども(最近も、そちらに振り切った作品を読んだなと思い出した)、女性性を持つ人の痛々しいほどの葛藤にもフォーカスして描いていたのが、さすが千早茜さんとなった。 すっきり解決、と言えるものはひとつも無く、情念、欲望、本質的な孤独に傷付ききった登場人物たちが、暗い夜の庭に取り残されるばかりの物語。 そう書くと、どうにも救いが無いように思えるけれども(実際そうだけれども)、その暗がりの芳醇さに、ついつい惹き込まれてしまった
- 2025年5月15日人間の建設小林秀雄,岡潔読み終わった天才同士の対話、と聞くと思わず尻込みしそうになるけれど、扱われているテーマはとても普遍的で、人間の学び、創造の根源について考えさせられる 数学・批評論だけに留まらず、芸術、特に絵画についての意見交換を楽しく読んだ
- 2025年5月8日
- 2025年4月27日短編少年あさのあつこ,伊坂幸太郎,佐川光晴,奥田英朗,朝井リョウ,柳広司読み終わったGW中に沢山の短編を読もうと決めて、早速一冊目 少年をテーマにしたアンソロなので、瑞々しくてもどかしく、痛みも伴う作品が多い あさのあつこ、佐川光晴のものが好きだった 一方で、すこし苦手な印象を抱いていた作家のものは、やはり今回もうまく飲み下せなくて、生理的に無理というか、これはもう相性なんだな…と改めて自覚したりもした アンソロあるある
- 2025年4月24日火山のふもとで松家仁之読み終わった四季折々の自然と、人の暮らしと共にある建築設計が、透明感ある静けさをもって描かれていて、とても美しかった… 主人公が強い意思で物語を引っ張っていくタイプの小説ではないけれど、彼らを取り巻く北軽井沢の動植物や火山、実直であたたかみのある建築を生み出す所員らの真摯な仕事振り、作中随所に散りばめられている名だたる建築家、芸術家、作曲家らのマスターピースの気配が、小説全体に深みを与え、高原の心地よい風のように、読者の胸を吹きすぎていく 続けて前日譚も読みます
- 2025年4月17日それでも世界は回っている 1吉田篤弘読み終わった魅力的な世界で、一風変わったキャラクターが、意味深な言葉を残して、ふわりと去る どこかに着地しそうでしない、吉田篤弘らしい作風をさくっと味わえる連作 小説というより、仕掛け絵本を眺めているような気持ちになった
- 2025年4月16日貝に続く場所にて石沢麻依読みたい
- 2025年4月15日真夜中のパーティーピアス,A.P.(アン・フィリパ),猪熊葉子読み終わった「トムは真夜中の庭で」が素晴らしかったので、フィリパ・ピアス2作目。イギリスの自然を美しく描き、そこで遊び、学び、痛みを覚える子供達の姿を、とてもフェアな視線でとらえている 大人になれば些細に思えることでも、子供だった当時は胸が潰れるほどショックで、折に触れて思い出してしまう…そんな一瞬が、誰の記憶にもあると思う そうした瑞々しい傷跡の数々に触れて、思わず我が身を振り返ってはっとする、そんな短編集だった
- 2025年4月15日ムギと王さまエリナー・ファージョン,石井桃子読みたい
- 2025年4月15日クローディアの秘密カニグズバーグ,E.L.,松永ふみ子読みたい
- 2025年4月15日かずをはぐくむ森田真生,西淑読みたい
- 2025年4月15日天使も踏むを畏れるところ 上松家仁之読みたい
- 2025年4月14日トムは真夜中の庭でフィリパ・ピアス,スーザン・アインツィヒ,ピアス,A.P.(アン・フィリパ),Philippa Pearce,高杉一郎読み終わった尊敬する作家のひとりである小川洋子さんが、忘れがたい作品として挙げていた一冊。本当に素晴らしかった…! できるならば子供の頃に読みたかった…でも、トムとバーソロミュー夫人の間の年代である今読んだからこそ、どちらの気持ちも感じ取れた気もする イギリス児童文学らしく、庭園にまつわる描写や、それを愛で、共に成長する人々の暮らしの様相が手に取るように伝わってくる そもそもが個人的にイギリス文化贔屓なこともあり、この点だけでも100点満点の読み応えだったのだけど、更に素晴らしいのが、トムやピーター、幼いハティらの子供らしい感覚を、「未熟な大人」として見下したり、過剰に幼く無知に描いたりは決してしていないこと(優れた児童文学というものは皆そうだけども) 大人が考える「子供らしさ」という型(よかれと思ってトムを教え諭そうとする叔父夫婦のやり口も、ある意味これにあてはまる)から飛び出して、トムは自由に、大胆に、勇敢に、また驚くほど冷静に、真夜中の庭で素晴らしい時を過ごす。家に残してきたピーターや、幼いハティへの思いやりの心にも溢れている その様は、子供と大人という時のくびきから解き放たれたひとりの人間として、とても魅力的だったし、だからこそ、ラストシーンの2人の邂逅にも胸が熱くなった 人生における特別な一冊が、また増えました
- 2025年4月13日あとかた千早茜読み終わった恋愛連作短編集ではあるけれども、どのお話も孤独の匂いが濃く、登場人物それぞれが、自分という個の在り方について真剣に向き合っているのが伝わってくる。 恋愛を含めた、生き方そのものの話。
- 2025年4月13日ぼくには数字が風景に見える (講談社文庫)ダニエル・タメット,古屋美登里読みたい
- 2025年4月11日ガーデン千早茜読み終わった植物、庭園、夜といった大好きなモチーフにうっとりしながら、他人との距離感や、交じり合い方について考えさせられた 孤独を守ることは決して悪いことではないけれど、他人と深く関わり合いたいなら、生臭く血の匂いのする池の底へ飛び込んでいかなければならない時もある 個人的に、様々な角度から共感できた一冊だった
- 2025年4月10日
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