管太 "ノルウェイの森 下" 2026年3月11日

管太
@r_f_1
2026年3月11日
ノルウェイの森 下
悔しいくらいによく分からなかった。  最後まで読んだときにまた第一章を読むと切なさを感じる。愛している相手が本当の意味で自分のことを愛していない、これが作中に何度もあった。その苦しみは命を絶つほどの苦しさが伴う。主人公は直子を愛していた。直子はキヅキを愛していた。緑は主人公を愛していた。ハツミさんは永沢さんを愛していて、レイコさんは主人のことを愛していた。しかし、その愛は同じ熱量の完成されたものとして返却されることはなかった。人間は人生において一人の人間しか愛することはできないのではないか。仮に愛することはできても、それは本物の愛があった脇とか裏にある愛なのではないのか。そんなことを思った。  この小説は村上春樹氏の個人的な小説でもあり、本の中にあるテクストを私たちがどう解釈しようとかまわない。そして、この小説がなぜここまでの価値があるものなのか、それを考えることにも価値があるのかもしれない。
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