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管太
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  • 2026年1月10日
    人間失格
    人間失格
    久しぶりに今すぐにでも先が読みたい、読むのを止めるのが惜しいと思う本と出会った。  太宰治の「本を読まないということは、そのひとは孤独ではないという証拠である」という言葉を象徴している本のように感じた。この本を読み切って少しでも葉蔵に寄り添えたなら、その人の一部には孤独がある。  葉蔵という人間の一生が描かれていて、本当に紆余曲折がある。それの全てに物語としての作為が感じられず、人間としての一生が描かれる。  この中編の中にも様々な恋の形が描かれているようで、その恋と孤独は隣り合わせである。  まさに文豪の作品。太宰に寄り添いたくなるような小説だった。
  • 2026年1月4日
    傲慢と善良
    傲慢と善良
    『相手の選択』という仕組みを穿つ、婚活ミステリー小説。  恋愛小説を読むことは多いが婚活小説は今まであまり読んでこなかった。恋愛と婚活は別物なのだなと感じさせられた。  善良であるけど傲慢、というのは逃れられない思考の仕方なのだと思う。だから恋というものは難しい。お互いがお互いを100%と言える恋は奇跡のようなものに思えてしまう。でも人間はお互いが100%――少なくとも自分は100%を与えられる恋を求める。だからこの構造から逃れられない。恋という迷宮を彷徨うことになる。無限に広がる迷宮を彷徨って出した答えが人それぞれ違うから、恋の話は面白いのかもしれない。  この話で最も善良なのは花垣学で、一番傲慢なのは美奈子だと思った。花垣がモテないこの世の社会構造を改めて疑問に思った。美奈子は傲慢というか自分が主人公だと認識している自分勝手さがあり、旦那と架の運命を手に入れなければ満足できない人間なのだと感じた。それを自覚できていないという所から、真実の母と同じくらいの人間性レベルであると考える。世界を経験している自分勝手さと、世界を経験していない自分勝手さと言える。  小野里さんがアフォリズムを振り撒いていて、この人の話だけで一本の小説が書けると思った。「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です」(137頁)は、誰もがハッとさせられる文章である。  それぞれの登場人物のリアリティが高い。地震のボランティアというのを取り入れることでよりリアリティが高まる。  よい小説だが長いとは思った。もう少しコンパクトに『傲慢と善良』を表現することもできるかもしれないと思う。また、ミステリーとしての終わり方というよりは真実と架の成長譚といての終わり方で締められる。ミステリーとしては第一部で終わるとも言える。成長譚としての終わりと思えばふさわしいのかもしれないが、話の転換点がインスタのコメントという所で物足りなさとご都合主義さを感じた。  文庫本の朝井リョウさんの解説が見事。<私たちの身に起きていることを極限まで解像度を高めて描写>している、というのはこの小説が自分のこととしても刺さる大きな理由である。この小説の値段は朝井リョウさんである、と言えるとも考えられるのは、キレキレな指摘だと思った。
  • 2025年12月28日
    変人のサラダボウル(9)
    変人のサラダボウル(9)
    世界一面白い小説と言わざる負えない。 無数の話の軸が錯綜している(ように見える)のにこんなに面白いのは意味がわからない。 友奈に白川京感があったり、時の飛ばし方が妹さえ感があったりで平坂先生の小説を浴びて、染みる。 まだまだ平坂先生に小説を書いてほしいな。
  • 2025年12月23日
    ゴールデンタイム2 答えはYES
    竹宮ゆゆこさんのハイテンションな文体で読んでいて飽きない。 加賀香子の描写は圧巻。美しすぎる女性という雰囲気がありありと感じられ、超越した美人を書けと言われたらこう書くのだ、と教えてくれているよう。 また、岡千波ちゃんがかわいすぎる。加賀香子という異次元の美人がいながら、香子が持っていない魅力を持つ岡ちゃんを多角的に描いていて、キャラがとてもしっかり立っている。圧巻の美しさの香子と、みんなから愛されるかわいさの岡ちゃんの対比というのは、作品のテーマにも響いていると思う。またこの二人の関係は『とらドラ』の大河と亜美をも思わせる。 展開についてはアニメで知っていたが、やはりラストが急であり、読者の理解を超越したご都合主義に見えてしまった。香子の気持ちが全く分からないということもないけど、その展開にするのであればもう少し匂わせがあってもいい気がした。二巻でくっつく、というのは珍しくていいと思う。つまりこれからは万里の過去を掘っていく、ラブコメでないもう一つの軸が中心の展開になっていくことが考えられる。
  • 2025年12月20日
    蹴りたい背中
    蹴りたい背中
    綿矢りささんの小説の主人公らしい主人公。 変わった主人公が小説を通して社会を感じ、成長するという構成は『インストール』等他の作品にも通ずる気がする。 「蹴りたい」という欲求こそが主人公とにな川の関係を表していて、恋心とも見れるが、恋心と一括りにするのも違う。それでも、変わった恋の形なのかと思った。 主人公とにな川は似ているが、違っている所もある。二人が孤独を感じるようになったことで、ある種想いを共有する。
  • 2025年12月16日
    神の子どもたちはみな踊る
    神戸の地震についての短編六作。 村上春樹の良さに触れられた。読みやすいものから意味が分からないものまで。 『かえるくん、東京を救う』のアフォリズムや、『蜂蜜パイ』の物語内物語など、小説としての味が深まる。 逆に読み取りずらくよく分からない表題作『神の子どもたちはみな踊る』等に、何かしらの真意が隠れているのだと思った。
  • 2025年12月8日
    憤死
    憤死
    綿矢りさ先生の短編集。 リーダビリティが高く、読みやすい。作品ごとのテーマも味わい深かった。人間の人間らしさが描かれている。 『人生ゲーム』の余韻が気持ちいい。いつか人の一生を描く作品を書きたいと思った。 『憤死』は綿矢先生らしい作品だったが、男が主人公の綿矢作品はなかなか見ない。綿矢先生の恋愛以外の側面を見た気がする。 『おとな』一番怖い。子供の頃の恨みは忘れられない。 『トイレの懺悔室』「イニシエーションを企んだおとなが破滅する」が言い得て妙。 『憤死』憤死とはなんなのか。綿矢先生の筆で描かれる。 『人生ゲーム』人の一生性。運命、死ぬ時は決まっている。それまでの経路を楽しもう。傍から見ると、それはゲームみたいに楽しいものになっている。あなたの心の中にもお助けマンを!
  • 2025年12月7日
    千歳くんはラムネ瓶のなか(3)
    ラノベリハビリ。 熱かったし、平坂読先生作品リスペクトが所々にあるように感じて嬉しかった。 大人としての明日風が抱えていた子供性を、朔のおかげで発露し乗り越え、更なる大人になって回帰する話。構造として美しい。 恋愛をしているけどくっつかない、をここまで綺麗に描ける作品はなかなかない気がする。濡れ場のないエロ。 参考にしたい所だらけ。
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