ユメ "ここに物語が" 2026年2月6日

ユメ
ユメ
@yumeticmode
2026年2月6日
ここに物語が
ここに物語が
梨木香歩
梨木香歩さんによる書評や解説、本に関するエッセイをまとめた書籍。梨木さんのエッセイは静謐な文章で、拓けた世界にも眼差しを向けながらどこまでも自己の内面深くへ潜ってゆく在り方が、水の冷たい澄んだ湖を思わせる。 私はモンゴメリの作品をこよなく愛しているのだが、梨木さんが『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』という本に寄せた解説「『曲り角の先にあるもの』を信じる」には深い感銘を受けた。「いま曲り角にきたのよ。曲り角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの」は、アンの朗らかな人生哲学を象徴する私自身とても好きな台詞なのだが、梨木さんは戦時中『赤毛のアン』を訳し続けた村岡花子さんの心境に想いを馳せ、先の見えない時代だからこそ「いちばんよい」時代はこれから来ると強く思いたいと述べている。世界情勢の先行きが不透明な今だからこそ、アンの台詞に勇気をもらいたい。人間はきっと、希望がなければ生きてゆけないと思うから。
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