
楡
@etemotust
2026年3月14日

光 (集英社文庫)
三浦しをん
読み終わった
再読
「求めたものに求められず、求めてもいないものに求められる。(中略)まったくもって、よくある不幸だ。」本当に求めたものを手に入れられない人たちの物語だった。そして、圧倒的な暴力に晒され、深く抉られた傷穴を持つ人たちの物語だった。欺瞞と自己陶酔に塗れた信之の、本人も意識していないだろう傷の深さが垣間見えることに、両親を失った途端に山中に縋りついたと思われる美花の、本人をも苦しめる卑怯さに、そして何より、傷つけられつづけずっと終わりを待ち侘びている輔の弱さに、やるせない気持ちにさせられる。
