こよなく
@funyoi
2026年3月14日
読み終わった
本書は、第一部ではフィクションを通して、第二部では社会運動を通して、現代の社会問題やその歴史的プロセス、そして政治との関わり方を考える構成になっている。
第一部では「トイ・ストーリー4」が取り上げられており、自分は主体性をめぐる物語としてけっこう好きなんだが、ステレオタイプの再生産でフェミニズムの視点から批判されてることは知らなかった。
第二部では、著者がアメリカのミュージアム研究者なこともあって、ミュージアムに関する話が詳細で面白い。
ミュージアムは各種の学知を公衆に伝え、共有しながら知の歴史を社会の中に語り継ぐ存在で、教育機関であり、社会制度でもあると述べられてる。だから決して資本主義の基準で裁いてはいけないんですよ。
その後言及される「普遍的博物館の価値と重要性に関する宣言」には驚かされる。植民地時代などに奪われたコレクションの返還を拒む論理として提示されたものだが、かなり暴力的な理屈である。大英博物館はよ返しなさい。
後半ではSNS上のムーブメントと政治の関わり方が論じられてるが、やってることは党派性による塗り潰し合いのような状況が多く、悉くSNSは政治の言論空間に向いてないと思わされる。
著者は「知ること」は楽しいことであり、よって政治に関することを知ることもまた楽しいことだと語られてる。実際、自分もそう思うから、こうして本を読んで知ることを楽しんでる。
一方でSNSは知る場所じゃなくて攻撃し合う場所になってるし、あらゆるジャンルの情報が流れてくるから、負荷のない情報しか読めない。
だから本当は、自分もしてないけど、普段の生活でカジュアルに政治の話をするのが理想的なんでしょうね。


