
阿雁燈
@sk88p
2026年3月14日

読み終わった
個人的には文学でプリンストンといえば村上春樹の存在が真っ先に思い出されるのだが、村上春樹がプリンストンに赴く四半世紀以上前の当地の様子やアメリカ社会、あるいはアメリカで日本文学の研究をすることの意味についての裏表のない批評である。ケネディ暗殺時、一種の昂奮状態に陥りつつ、少し時間が経つと冷ややかな目線でアメリカの人々がケネディのことを見ていたことが分かってくるというのは、アメリカにいながらにして、アメリカのコミュニティの外に軸足を置く立場からしか見えない観察だろう。
村上春樹は、そのバックグランドや読書経験からして、わりと素朴にプリンストンでのアメリカンな生活を楽しんでいたように見えるのだが、江藤淳は少し斜に構えながらプリンストンに溶け込もうとし、実際に溶け込んだのでないか。時代が違うといえばそうなのだが、なかなか対比的で面白い。
