華#Hana
@Hana-2525
2026年3月15日
ジャッジメント
小林由香
読み終わった
被害者遺族が加害者に犯行内容と同じ方法で手を下す「復讐法」をテーマとした連作短編集。
誰もが考えたことのある、「目には目を、歯には歯を」の精神で行う復讐が、刑罰として認められる世界。
復讐する遺族の葛藤はもちろん、仕事として執行に立ち会う主人公の心境も描いてあり、辛い気持ちを感じながらも読み進めることが出来た。
五篇からなる短編集だが、特に最後の章では小学生が親とその恋人を復讐する話である。虐待の描写で胸が苦しくなり、また子ども側の親に対する心の変化には少し違和感を感じて戸惑った。
これはある種現実に近いディストピアの、もしかしたら近い未来で起こり得る物語だ。
復讐を成し遂げたとして満足、幸福にならないことがわかっていても復讐することへの欲求が止まらない被害者遺族が、今現在この世のどこかにいると感じた。
「復讐法」を架空のものだと割り切れないし、自分が被害者遺族だったらと考える、複雑な読後感のある小説でした。