
きん
@paraboots
2026年3月18日
愛について語るときに我々の語ること
レイモンド・カーヴァー,
村上春樹
読み終わった
本棚に残す一冊
大変滋味深い一冊。
いくつかのお話の集まった短編集。
本書に出てくる人々の人生を垣間見て、己の人生を見てしまっていた。読んで唸って、まさに言葉にならず。
どうしようもないような人たちのある時点での人生の場面を切り取られたようなものに感じたが、どうしようもなくてもそれでも人生というものは続いてゆくことを案に意味していたかと感じている。
愛と一言で言っても、愛なんて目に見えないものを理性的に追うことは難しい。言葉にして明らかなものとすることもままならない。傲慢と善良の坂庭真美や真夜中の恋人たちの入江冬子の愛のみが愛というわけでもない。プラトニックの愛もあれば性愛もあるし、執着も怒りも、親子愛も家族愛も情のようなものも、愛だと言えなくもない。もっといろんな形の愛があるはず。
それをカーヴァが切り取って見せてくれているように感じた。
人生のどうしようもない局面に行き詰まり、地団駄を踏んだり喚き嘆いたり、立ち向かったり逃げたり。それでも人間は生きるんだということを指し示してくれている気がする。
自分の人生の経験値が増えたからこそ、カーヴァーの言いたいことが少しずつ見えてくるきもしている。
局面局面で読みたい一冊。
追記
誰かが、翻訳者の村上春樹氏を取り上げて、村上氏が絡むと村上節になると言っていたが、なるほど確かにと思わざるを得ない部分もあるが、そういうところをさっ引いたとしてもアジのある一冊でした





