うみのひつじ "ふたつのしるし" 2026年3月18日

ふたつのしるし
「そのとき、向こうから来る女性が目に入った。紺色のきれいな服を着ていた。紺色がきれいなのか、服がきれいなのか、温之にはわからなかった。着ている人がきれいなのだと気づくまでにしばらくかかった。」 「そのとき、はっとした。この人を知っている、という思いが不意によぎった。どうして知っているのだったか思い出せなかった。考えても思い出せないだろう。それほど不確かな記憶だった。でも、いつだったか、どこかで会っていたんじゃないか。」 こういう感覚を知っている。 味わったことがある。 でも、違った。間違いだった。間違えた。 だから私は今、ひとりでいるのだ、と。 そういう気持ちになってしまうから、こういうものを読むときには、いつも覚悟がいるのです。 渡辺尚子さんの解説も良かったです。 特に最後の一文は、希望。 オールを手放さない。漕ぐことを止めない。
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